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労働災害事例

足場上で足場板を取り込む作業中墜落

足場上で足場板を取り込む作業中墜落
業種 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 足場
災害の種類(事故の型) 墜落、転落
建設業のみ 工事の種類 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事
災害の種類 足場から墜落
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:-
不休者数:- 行方不明者数:-
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.468

発生状況

この災害は、鉄骨3階建の事務所建築工事において、3階の内装作業に使用する足場板を、外部足場の建地に取り付けた滑車にロープを掛け、人力により地上から3階フロアーに上げる作業中、外部足場の第4層目作業床上で足場板を取り込む作業をしていた被災者が、約7mの高さから墜落したものである。
 工事は、躯体工事は終了し、左官工事、内装工事、外壁工事等を残している段階であった。躯体の周囲には、その屋上部分まで外部足場(鋼管わく組足場)が設置されていた。
 災害発生当時は、3階天井板取付け作業に必要な脚立足場の資材(脚立22台、足場板30枚)を3階フロアーまで上げる作業を行った。
 脚立を3階フロアーへ上げる作業方法は、外部足場の建地にブラケットを出し、滑車をつり下げ、ロープ(麻・合成繊維製、直径13mm、長さ26m)を掛け、このロープに脚立を結び付けて、人力で外部足場に沿って3階フロアーのところまで上げ、足場作業床上で取り込むというものであった。脚立を足場上から3階フロアーへ搬入する際じゃまになるわく組足場内側(躯体側)の筋かいは外されていた。作業は、被災者の事業主が地上で脚立をロープに結び、上へ上げ、被災者が足場の第4層目作業床上で上がってきた脚立を取り込み、3階フロアーへ搬入するという作業方法であった。脚立を1台ずつ合計22回上げて終了した。この時点では、第4層目作業床の外側の墜落防止用の手すりは取り付けられていた。
 次に、同じ方法で、足場板を上げる作業に取りかかった。作業開始の直前、被災者は、足場板を取り込む際にじゃまになる足場第4層目作業床の外側の手すりをはずした。足場板を1枚ずつ19回上げ、被災者が19枚目の足場板を取り込み、3階フロアーの窓枠の上に載せ、ロープを解き、その後、事業主が地上へ投げ返されたロープに20枚目の足場板を結ぶべく足場板を持って振り向いたとき、上方から、足場板を抱えるようにして落ちてくる被害者を目撃した。被災者は外部足場の外側のアスファルト地面に墜落した。

原因

[1] 足場板を3階フロアーへ搬入する作業の際、体のバランスを崩したこと。
[2] 脚立足場の資材を外部足場を利用して地上から3階フロアーまで上げる作業に際し、足場の手すりを臨時に外したにもかかわらず、防網、安全帯等を使用しなかったこと。
[3] 資材搬入作業を行うため当日雇い入れた被災者に対し、雇入れ時の安全教育が十分行われていなかったこと。

対策

[1] 作業の必要上臨時に手すりを取り外すときは、防網を張り、作業者に安全帯を使用させる等墜落による作業者の危険を防止するための措置を講ずること。
[2] 作業者を雇い入れたときは、機械設備等の危険性、保護具の取り扱い方法、作業手順に関すること等、作業者が従事する業務に関する安全または衛生のため必要な事項について教育を行うこと。
[3] 安全な作業手順を作成し、作業者に周知するとともに、これに従った作業を行うこと。