コンクリート打設作業中、手すりの下方から墜落

業種 | その他の土木工事業 | |||||
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事業場規模 | - | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 足場 | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | その他の土木工事 | ||||
災害の種類 | 足場から墜落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.404
発生状況
この災害は、コンクリート製の汚れタンクを建設する作業中に発生したものである。工事の施工順序は次のとおりである。
[1] 用地造成
[2] 基礎杭打設
[3] 鋼矢板打ち
[4] 掘削
[5] 杭頭の処理
[6] 砂入れ
[7] 均しコンクリートの打設
[8] 基礎鉄筋、型わく組み
[9] 基礎コンクリートの打設
[10] 側壁鉄筋、型わく組み
[11] 側壁コンクリートの打設
[12] 型わくの解体等
災害が発生したのは、上記[11]の側壁コンクリートの打設作業中で、その打設方法は、0.6m3のコンクリートバケットをトラッククレーンでつり、生コン車から打設箇所まで運搬し、被害者がバケットのシュートの開閉を操作するものであった。
第5回目の打設作業中、被災者は、足場上でコンクリートバケットのシュートの開閉レバーを操作したが動かなかったため、レバーにぶら下がるようにして引き下げたところ、シュートが急に開き、多量の生コンが落下した。このとき、パネル板(コンクリートがこぼれないようにするための用具)を所持していた被災者は、落下してきたコンクリートの重さを支えきれず、後方に転倒し、足場の手すりの下方より3.62m下の基礎コンクリート上に墜落したものである。
被災者が作業をしていた足場には、床付き布わく(鋼製)および合板足場が敷かれていたが、床付き布わくと合板足場板との間には5cmのすき間があり、また、10cmの段差があった。
また、作業床から高さ95cmのところには手すりが設置されていたが、中さん、幅木等は設けられていなかった。
原因
(1) コンクリートバケットのシュートの開閉がスムーズにできなかったため、急激にコンクリートが落下してきたこと。(2) 作業床にすき間、段差があり、つまずきやすかったこと。
(3) 墜落防止設備として手すりだけしかなく、中さん等が設けられなかったこと。
対策
(1) コンクリートバケット等の機械設備については、日常の点検を徹底すること。(2) 作業床については、つまずきにくい構造とすること。
(3) 墜落防止設備としては、手すりだけでなく、中さん、幅木等も設置すること。また、手すり等が設置されていても安全帯を併用することが望ましいこと。