職場のあんぜんサイト

  1. ホーム
  2. 労働災害事例
  3. 労働災害事例(検索結果詳細)

労働災害事例

鉄骨造家屋の外壁取付工事中に足場から墜落

鉄骨造家屋の外壁取付工事中に足場から墜落
業種 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業
事業場規模
機械設備・有害物質の種類(起因物) 足場
災害の種類(事故の型) 墜落、転落
建設業のみ 工事の種類 鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事
災害の種類 足場から墜落
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:-
不休者数:- 行方不明者数:-
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.387

発生状況

本災害は、鉄骨造り平屋建ての店舗新築工事において外壁材の取付工事を行っている際に発生した。
 本工事は、甲社が元請けの乙社から請け負っていたものであり、災害発生前日から躯体の防火用外壁の取付工事が行われていた。災害発生当日、作業開始前のミーティングで、甲社の作業者A(被災者)とBが躯体東側の面戸(屋根と外壁の取合い部分をふさぐもの)の取付作業、躯体西側柱上部の水切り(屋根および外壁等の突き付け部分の防水板)および防火サイディングの取付作業を行うことになり、作業が開始された。
 作業を開始して1時間ほどで、躯体東側の面戸取付作業を終了したA、Bは、予定通り躯体西側へ移動し、露出した柱の上部へ防火サイディングおよび水切りを取り付ける作業に着手した。2人は水切り用鉄板、防火サイディング用化粧板等の資材ならびにカッター等加工用機械を準備し、躯体の北側から5番目と6番目の柱の間に設置されていた枠組足場の2段目の鋼製布枠上にこれを仮置きし、6番目の柱から作業を開始した。Bが水切りの取付作業に、Aが水切り取付箇所の防火サイディング取付作業に各々分かれ作業を進めた。柱の水切りは、地上4.5mの柱と桁との取合い部分に帯状に取り付けるもので、その上方に防火サイディングを取り付ける手順となっていた。
 6番目の柱の水切り取付け後、7番目の柱の水切り取付作業に移ったBは、途中で水切り用鉄板が足りなくなったため、6番目の柱の北側のブラケット足場上で化粧板の加工を行っていたAに、5番目と6番目の柱の間の枠組足場上に仮置きしてある水切り用鉄板を持ってくるよう指示した。Aが5番目と6番目の柱の間に設置されていたブラケット足場に向かって歩いて行ったところ、足場板が持送り枠にかけ渡されていなかったことから足場板がはずれ、て墜落し、死亡したものである。
 躯体周囲の足場は、元請けの乙社により災害発生日の約2週間前に設置され、躯体東側および南側は3段、西側および北側は2段(一部3段)で幅は60cmであった。また、柱が外に露出している躯体西側は、枠組足場と躯体壁面との間隔が大きいため、幅50cmのブラケット足場が地上2.83mの位置に設置されていた。本ブラケット足場は組み立て当初、鋼製の足場板が2枚敷きで、三点にかけ渡されていたが、柱周りの防火サイディング取付作業に支障があるため、一枚敷きとして三点支持の両端をゴムバンドで固定して使用していた。なお被災個所の歩み板は中央だけゴムバンドで固定された状態であった。

原因

[1] ブラケット足場にかけ渡されていた足場板が、転位・脱落しないよう2つ以上のブラケットに緊結されていなかったこと。
[2] ブラケット足場を利用して行う作業の開始前に、足場の状態を点検していなかったこと。

対策

[1] 足場を利用して作業を行う時は、作業開始前に、床材の取付け・かけ渡しの状態等を点検し、床材が転位も、脱落もする恐れがないことを確認すること。
[2] 床材は、転位・脱落しないよう2つ以上の支持物に確実に取り付けること。