接岸中の本船の船倉内において、製材の陸揚げ作業中、揚貨装置のつり具(スプレッダー)に激突される
業種 | 港湾荷役業 | |||||
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事業場規模 | 100〜299人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 揚貨装置 | |||||
災害の種類(事故の型) | 激突され | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 設計不良 | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 確認しないで次の動作をする |
No.1126
発生状況
この災害は、岸壁に接岸中の外国船籍の貨物船(総トン数約3万トン)の船倉内において積み荷(梱包した輸入製材、つり荷の重量約30トン)の陸揚げ作業中、船内作業員(被災者)が、船倉内の荷の上で、あらかじめ荷に通されているベルトスリングのアイを荷の上に並べていたところ、降下してきた本船の揚貨装置のつり具のスプレッダー(鋼製、縦2.2メートル、横11.25メートル、高さ1.5メートルの直方体、重量約5.7トン)に激突され、被災したものである。原因
接岸中の本船の船倉から製材を陸揚げ作業中、ガントリークレーン運転室にいた揚貨装置運転者が、運転席からは死角となり、荷の状態が見えない位置にある重量約30トンの製材をつり上げる作業を行うに当たり、同運転者が、合図者の合図を確認せずに自重約5.7トンのつり具(スプレッダー)を降下させ、側壁側に水平移動させたことが直接の災害原因である。これに加え、合図者が揚貨装置運転者から見えない位置で合図を行ったこと、玉掛けの準備作業を行っているところにスプレッダーを移動させたことが原因としてあげられる。対策
本災害事例に関する再発防止対策としては次の点があげられる。1 揚貨装置の運転者に対し、合図に従った運転を行うことを徹底すること
2 揚貨装置の合図者は、合図が運転者から見える位置で行うことを徹底するとともに、無線機器を使用するなど合図の伝達について確実な方法を採用すること。
3 スプレッダーを玉掛け位置まで移動する場合には、労働者をスプレッダーと接触するおそれのない位置にあらかじめ退避させること。
4 スプレッダーが動揺している場合には、揺れが停止するまで、労働者をスプレッダーに近づけないこと。
5 スプレッダーのフックとベルトスリングの間にワイヤロープを介するなどの方法により、スプレッダー本体が、作業者と接触しない高さとするなど作業方法を改善すること。