はさまった木切れを取り除き作業中にフォークリフトのバケットが降下してはさまれる
業種 | 産業廃棄物処理業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | フォークリフト | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 構成材料の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 無意識行動 | |||||
発生要因(管理) | 不意の危険に対する措置の不履行 |
No.1111
発生状況
この災害は、廃棄物の処理を行っている会社内において、廃棄物をフォークリフトでトラックに積み込む作業中に発生したものである。この会社では、一般ごみ及び産業廃棄物を会社内の広場で解体用機械で解体・分解したのち、廃棄物の種別ごとに区分し、トラックでごみの処分地に運搬する業務を行っている。
この日は、日曜日であったが、被災者は、午前9.00に出勤し、前日に処理し切れなかった廃材を、フォークリフトを使ってトラックに積み込む作業を開始した。
この作業を開始してまもなく、バケットからこぼれ落ちた木切れがフォークリフトのリフトシリンダーにはさまり、バケットが下降しなくなった。
そこで、被災者は、運転席から降りてフォークリフトの正面に回ってバケットの下に入り込み、バールを使ってはさまっていた木切れを取り除こうとしていたところ、バケットが急に降下してきて胸部及び腹部を打撲した。
原因
この災害は、廃棄物の処理を行っている会社において、廃棄物をフォークリフトでトラックに積み込む作業中に発生したものである が、その原因としては次のことが考えられる。1 直接的な原因
この災害の直接の原因は、安全な措置をとらないまま、はさまっていた木切れを取り除くため、被災者がフォークリフトのバケットの下に入ったことであり、このような作業を行う場合には、万一バケットが降下しても安全なように安全ブロック等を使用することが必要である。
2 間接的な原因
経営者の安全管理についての認識が希薄であったこと、フォークリフトの運転技能講習を修了した者がいなかったこと、フォークリフトの特定自主検査が一度も実施されていなかったこと等があげられる。
対策
この災害は、産業廃棄物の処理会社において、廃棄物をフォークリフトでトラックに積み込む作業中に発生したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。1 安全管理の実施
経営者は、危害防止が自らの責任であることを自覚し、安全に関して知識を有する安全担当者の選任或いはその養成を行なう。
2 安全ブロック等の使用
フォークリフト等の荷役運搬機械のフォーク、ショベル等の下に立ち入るときには、安全支柱、安全ブロック等を使用する。
3 機械の点検整備の実施
労働安全衛生法で規定されている「特定自主検査」を必ず実施する。
また、毎月一回の定期自主検査、使用開始前の点検も確実に行なう。
4 有資格者の確保
フォークリフトの運転は、有資格者に行なわせる。また、作業者全員に安全教育を実施する。