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この災害は、建築用資材の製造及び販売をしている事業場の貯木場に隣接した水切り場で発生したものである。 当日の作業は、つり上げ荷重10トンのホイスト式天井クレーンを無線操作で運転して、水切り場に置かれている原木を6本1ロットとして玉掛けし、水切り場に隣接している高さ3.3mのリングバーカーの盤台上に吊り上げるもので、この作業を被災者が単独で行っていた。 被災者が、4ロット目の原木6本を水切り場において、玉掛け作業を行っていたところ、盤台上に積上げられていた原木のうち1本が水切り場に落下し、玉掛け作業を行っていた被災者の背部に激突し、後腹膜腔出血で翌日に死亡したものである。 なお、リングバーカーの盤台の端には、水切り場への原木落下を防止するための支柱が4箇所設けられいたが、支柱の高さは43cmで、原木が2段に積上げられると落下する危険性があった。
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この災害は、ホイスト式天井クレーンで、水切り場の原木をリングバーカー盤台に吊り上げる作業中に発生したものであるが、その原因としては、次のことが考えられる。 盤台の広さは、均一な原木であれば、3ロット(18本)まで積み重ねることなく配列できるが、原木に曲り等がある場合、無理なく1段に配列できるのは2ロット(12本)までであるのに、3ロットの原木を置いたため、原木が支柱を乗り越えて盤台上から落下したものと考えられる。 また、被災者Aは、盤台に背を向けて、4ロット目の玉掛け作業を単独で行っていたため、原木の落下に気がつかなかったものと推定される。
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この災害は、ホイスト式天井クレーンを用いて、水切り場から原木をリングバーカー盤台上に移動する作業において、盤台上から原木が落下する危険性があるのに、そのまま放置し、危険のある場所で玉掛け作業を続行したために発生したものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策を徹底することが重要である。 1 事業場の安全衛生管理体制の整備 2 安全作業マニュアルの作成と徹底 3 安全衛生教育の実施 4 機械設備の安全化と安全点検の実施 5 就業制限業務等の有資格者の確保
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