鉄骨をトラックに積み込み作業中、鉄骨とともに荷台から転落
業種 | その他の金属製品製造業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | クレーン | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 整備不良 | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 機械装置を不意に動かす |
No.1043
発生状況
この災害は、建設用鉄骨の製造、加工を行う工場で発生したものである。工場においては、建築現場で使用する柱、梁等への穴開け、切断作業及び溶接作業を行っており、加工した鉄骨材は建築現場へ出荷される。
災害当日、職員1名は、始業時から加工を終えた鉄骨材を天井クレーンを用いて、大型トラックに積み込む作業を行っていた。
午後1時40分頃、近くで溶接作業を行っていた別の職員が振り返ったところ、積み込み作業を行っていた職員が右肩を下にして倒れており、その上に鉄骨が載っていた。
この時、天井クレーンのフックには、玉掛けロープのアイの片方のみがかかった状態で吊り下がっていた。
原因
この災害は、建設用鉄骨の製造、加工を行なう工場で発生したものであるが、その原因としては、次のようなことが考えられる。直接の原因は、天井クレーンを用いて加工した鉄骨をトラックに積み込んだ時の玉掛けロープを外す方法が適切で無かったことである。
すなわち、玉掛けロープの片方のアイを天井クレーンのフックに引っかけて、フックを巻き上げるという方法は、避けなければならない方法である。
間接的な原因としては、次の2点があげられる。
[1] 床面と荷台あるいは荷台上の荷の上面との間を作業者が安全に昇降する設備を設けていなかったこと。
[2] 作業指揮者がいなかったこと。
対策
この災害は、建設用鉄骨の製造加工を行なう工場で発生したものであるが、同種災害の防止のため次のような対策を徹底することが必要である。1 安全衛生管理体制の整備
会社として安全衛生推進者を選任する等安全管理体制を整備すること。
特に、ひとつの荷の重量が100キログラムを超える物のトラックへの積み卸し作業を行なう場合には、作業指揮者を選任すること。
2 安全衛生教育の徹底
重量物の積み卸し作業等危険な作業について安全教育を行なうこと。
3 安全作業マニュアルの整備と徹底
作業マニュアルを策定し、関係者にその徹底を図ること。
なお、貨物自動車に荷を積み或いは降ろす作業を行なうときには、作業者に保護帽を着用させること。
4 機械設備等の安全化と安全点検の実施
「外れ止め」付フックを使用すること、自動車荷台等と床面を安全に昇降する設備を設けること、天井クレーン等の作業前点検等を行うこと。