住宅用外壁材生産のための反転機付近を清掃中、回転盤にはさまれる
業種 | 合板製造業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | その他の装置、設備 | |||||
災害の種類(事故の型) | はさまれ、巻き込まれ | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 防護・安全装置がない | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 機械装置等を運転したまま離れる |
No.1037
発生状況
この災害は、個人住宅用の外壁材加工で、材料の表裏を自動的に反転させる機械の床面清掃中に、回転盤と床面との間に身体をはさまれたものである。この事業場は、大手ハウスメーカーの1次協力業者で、主として、ハウスメーカーの工場内で個人住宅用の外壁材の生産加工を行っていて、被災者の所属している外壁C1ライン班は、外壁パネル平面材の組立てと外壁パネル角材の組立てを行い、被災者は、通常「完成品の積み上げ作業の補助」を行っている。
災害発生当日、朝礼の時、職長から工場内でレイアウト変更工事があるため、C1ラインの稼働は停止し、C1ライン班は他の班で作業を行うよう指示があった。
被災者は、製品組立て中に不良品等として取り除かれた未完成品を手直して完成品とする班に配属された。
午後3時50分頃、一人の作業者が外壁C1ラインの反転機がカタカタと音を発しているのに気がつき、非常停止ボタンを押して反転機の運転を停止し、近くに行ったところ、反転機の回転盤と床面との間にはさまれている被災者を発見した。
原因
この災害は、個人住宅用の外壁材加工で、材料の表裏を自動的に反転させる機械の床面清掃中に回転盤と床面との間に身体をはさまれたものであるが、その原因としては、次のことが考えられる。1 電源を投入していたこと
外壁C1ラインの稼働を停止しているのに、電源は「ON」になっていたこと。
2 指揮命令系統が不明確であったこと
被災者は、これまでに反転機周辺の清掃を行なったことはなく、なぜ始めたのか、作業指示をした者もいなかったこと。
3 自動機械の安全対策が不十分であったこと
自動機械による危害防止のため、柵等で立入禁止区域の設定等の措置がとられていなかったこと。
対策
この災害は、個人住宅用の外壁材加工で、材料の表裏を自動的に反転させる機械の床面清掃中に回転盤と床面との間に体をはさまれたものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。1 指揮命令・管理責任者の明確化
作業班の変更等が行なわれた場合には、指揮命令者の特定と関係作業者への徹底が必要である。
また、自動機械の電源スイッチの管理責任者についても明確化が必要である。
2 自動機械の安全化
自動機械については、どのような運転モードになっているかを外部から識別できるようにするとともに、自動機械の危険範囲内に作業者が立ち入ったような場合には、機械が自動的に停止するような安全機構を組み込んでおくことも重要である。
3 安全点検の実施
作業開始前に安全装置等について機能点検を実施することが必要である。
4 安全教育の徹底
自動機械の運転者、周辺で作業を行なう者等について安全教育を実施することが必要である。