フォークリフトのフォーク上で換気用開閉引戸の調整中転落
業種 | その他の食料品製造業 | |||||
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事業場規模 | 1〜4人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | フォークリフト | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 物の積み方、置き方の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 危険感覚 | |||||
発生要因(管理) | 機械、装置等を指定外の方法で使う |
No.1035
発生状況
この災害は、そば粉の製造工場において発生したものである。そば粉を製造する際には、そば粉の製造工場の2階に設置してあるロール機から多量の熱が発散されることから、その熱を逃がすために2階部分に換気引戸が設けられている。
災害発生当日の昼休みに、作業者AとBの計2名は、調子が悪かった、この換気引戸の調整作業をすることとした。
作業は、Bがフォークリフトを換気引戸の下に運び、フォークにパレットを1枚差し込み、その上にさらにパレットを重ねて計8枚とした上にAが乗り、Bの操作でフォークを上昇させて、Aが換気引戸の調整をするという手順で行われた。
換気引戸の調整作業中に、Aは足を滑らせて墜落した。
Aは、すぐに救急車で搬送され、病院で治療を受けたが、骨盤内大量出血が直接の原因となって、翌日にAは死亡した。
原因
この災害は、そば粉の製造工場において発生したものであるが、その原因としては次のようなことが考えられる。この災害の直接の原因は、そば粉製造工場の熱気を逃がすための、2階に設けられた換気引戸の開閉不具合を調整するため、工場外側の引き戸の下にフォークリフトを配置し、フォークにパレットを1枚差し込み、さらにその上に7枚のパレットを重ねて計8枚(高さ1.11メートル)とした上に、墜落を防止するための措置を行わずに保護帽(ヘルメット)を着用しない作業者が乗り、フォークを地上高さ約4.6メートル(パレット上端の地上高さ約5.7メートル)まで上げて作業したことである。
また、フォークリフトを運転した者は、運転資格を持たない者で、この会社では災害発生時以前から、この者をフォークリフトの運転作業に就かせていたことも原因の一つとしてあげられる。
対策
この災害は、そば粉の製造工場において発生したフォークリフトのフォークからの墜落災害であるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。(1) 安全衛生管理体制の整備
作業者の安全と健康を確保するため、安全衛生管理体制を必ず整備すること。
(2) 安全衛生教育の徹底等 | |
イ 無資格者が運転をしてはならないことを徹底すること。 ロ 主たる用途以外の使用の場合の措置等を教育すること。 | |
(3) 機械設備等の安全化 | |
イ 墜落防止措置の徹底 ロ 特定自主検査の実施 |
換気引戸等については、定期的に点検し、必要な改善を行うこと。