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労働災害事例

製品倉庫内でシャッターの修理中、フォークリフトにはさまれる

製品倉庫内でシャッターの修理中、フォークリフトにはさまれる
業種 プラスチック製品製造業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) フォークリフト
災害の種類(事故の型) はさまれ、巻き込まれ
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 防護・安全装置がない
発生要因(人) 危険感覚
発生要因(管理) 機械装置等を運転したまま離れる

No.1034

発生状況

 この災害は、工場の製品倉庫内において、作業者がフォークリフトのマストとヘッドガードとの間にはさまれたものである。
 災害発生当日は日曜日であったが、設備の修理作業があり、被災者は、午前8時より設備業者の作業員1名とともに工場内の生産設備である重スリッター機(包装用材料のロールを切断する機械)の修理作業を行っていた。
 この修理作業が一段落した午後3時頃に、被災者は単独で工場に隣接する製品倉庫内に移動した。
 設備業者の作業者が、午後4時頃に重スリッター機の修理作業を終え、工具類を工具室に返却し、工具室から戻る途中で製品倉庫北側出入り口のシートシャッター巻取り機の下でエンジンを掛けたまま放置されているフォークリフトを発見した。
 フォークリフトには、被災者が、顔を左に向け計器板の上に前向きに腰掛けるような姿勢で、マスト突起部と運転台ヘッドガードとの間に側頭部をはさまれ、意識不明の状態となっていた。

原因

 この災害は、工場の製品倉庫内において、作業者がフォークリフトのマストとヘッドガードとの間にはさまれたものであるが、その原因は、次のように考えられる。
 災害の直接の原因は、フォークリフトを運転していた被災者がエンジンをかけたまま運転席を離れたこと、マストと運転室ヘッドガードとの間を通ってパレット上に昇降しようとした際に、マスト傾斜用操作レバーに体の一部が触れ、マストが後傾して、マストクロスメンバーとヘッドガードとの間に頭部をはさまれたことである。
 また、間接的な原因としては、本事業場の技術・工務担当は実質被災者だけであり、かつ、生産設備の補修等は生産活動の停止している深夜、休日に行われることが多く、被災者の作業は単独作業が多かったことがあげられる。

対策

 この災害は、工場の製品倉庫内において、作業者がフォークリフトのマストとヘッドガードとの間にはさまれたものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。
(1) 安全管理体制の整備
 現場末端までの管理が徹底する組織づくりをすること。
(2) 安全活動の活性化
 イ 事業者トップの参加による安全活動の展開
ロ 安全パトロールの充実
ハ 安全意識の高揚
(3) 安全衛生教育の徹底
 基本的な安全衛生教育と危険有害業務に従事する者への特別教育を確実に実施すること。
(4) 安全作業マニュアルの作成と徹底
 安全な作業を行うための安全作業マニュアルを作成すること。
(5) 機械の本質安全化等
 フォークリフトの操作レバの前方・上方・左右等をカバーで覆う等本質安全化を図ること。