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労働災害事例

納品先のフォークリフトで荷卸し中、フォークリフトが横転

納品先のフォークリフトで荷卸し中、フォークリフトが横転
業種 貨物軽自動車運送業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) フォークリフト
災害の種類(事故の型) はさまれ、巻き込まれ
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 設計不良
発生要因(人) 無意識行動
発生要因(管理) 不意の危険に対する措置の不履行

No.1032

発生状況

 この災害は、フォークリフトを使用した荷の運搬作業中、フォークリフトが後進し門柱に激突したため転倒し、投げ出された運転者がフォークリフトと地面との間にはさまれたものである。
 災害発生当日、午前1時頃、被災者は、パルプ製造会社からパルプ梱包40個の荷をトラックに積み、同日午前9時に搬入先の製紙会社へ到着した。
 到着後、被災者は、製紙会社の資材担当者と会ったところ、荷卸し場所と荷卸し作業のためにフォークリフトを使用するよう指示を受けた。
 午前10時40分頃、被災者は、トラック荷台の進行方向右側のあおりを下ろし、製紙会社より指定されたクランプ式フォークリフトを使用して荷卸し作業を開始した。
 午前11時25分頃、被災者は、トラック荷台前方に残っていたパルプ梱包の荷をフォークリフトのクランプではさむため、フォークリフトをトラック荷台に直角に付け、クランプの高さと幅を調整していたところ、突然、フォークリフトが約3〜10度の下り勾配の路面を後進しはじめ、後方にあった製紙会社の門柱に激突した。
 その弾みに、運転していた被災者が、フォークリフトから左側に投げ出され、同時に倒れてきたフォークリフトのヘッドガードの下敷きとなった。

原因

 この災害は、フォークリフトを使用した荷の運搬作業中、フォークリフトが後進し門柱に激突したため転倒し、投げ出された運転者がフォークリフトと地面との間にはさまれたものであるが、その原因としては、次のようなことが考えられる。
[1] フォークリフトでの作業位置が傾斜地あったにもかかわらず、クラッチをニュートラルにしたままで、かつ駐車ブレーキをかけずに、積荷との高さ調整を行うために、ベールクランプを上昇させたこと。
[2] フォークリフトが、下り坂で後進し始めたので、停止させようとしてインチングブレーキペダルを踏むところを、クラッチペダルを踏んでしまったこと。
 間接的な原因としては、有資格者でない者がフォークリフトの運転を行ったこと等があげられる。

対策

 この災害は、フォークリフトを使用して作業中、フォークリフトが後進して門柱に激突したために転倒し、投げ出された被災者が地面との間に挟まれたものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。
1 安全衛生教育の徹底
 この災害発生の直接原因は、フォークリフトの運転操作を無資格者が行ったことによるが、フォークリフトの運転等労働災害の発生等の危険を伴う業務については、一定の技能を有する者に行なわせる。
 また、フォークリフトの技術革新による変化等に対応して運転者に能力向上教育を行なう。
2 作業計画の作成と実施
 イ 作業計画の作成
ロ 作業指揮者
3 荷役運搬機械の貸与時の措置
 フォークリフト等荷役運搬機械を搬入業者等に貸与する場合には、その機械を操作する者の資格の確認を行なう。