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この災害は、親企業の構内下請A社と、その下請であるB社の作業員が行なっていた尿素の袋詰めの作業において発生したものである。 当日の午前8時5分頃、災害発生場所である尿素のバラ積み倉庫にB社の作業員2人が入ったところ、倉庫床面には、前日から夜通しで製品である粒状尿素が天井部のシューターを利用して運ばれていたため、高さ10m、勾配約25度の粒状尿素の山ができていて、粒状尿素を包装充填機に運ぶ地下ベルトコンベアへのホッパー投入口は尿素で覆われていた。 そこで被災者は、尿素の山を2m程登り、その位置で目詰まりしている尿素を地下ベルトコンベアに落とすために計測の目的で立てていたパイプを揺する作業を行なった。 一方、同じく倉庫に入った他の作業員は、トラクターショベルを用いて尿素の山の法尻から尿素を6〜7回すくい出す作業を行なっていたが、突然、尿素がホッパーの方へ流れ落ち始め、そこに被災者が肩あたりまで埋まっているのが見えたので、直ちに救出しようとしたが、被災者は再び尿素に埋まって見えなくなった。 その後、他の労働者の協力を得て尿素の山から被災者を救出したがすでに窒息死していた。
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この災害は、倉庫内の尿素搬送用地下ベルトコンベアが稼働していたにもかかわらず、ベルトコンベアへの投入口ホッパー上部に積った崩れやすい粒状尿素の山の登り、目詰まりしていた粒状尿素を崩そうとしてパイプを揺する作業を行なっているときに、足下の粒状尿素が崩れたものである。 ホッパーが目詰まりした理由としては、地下ベルトコンベアが止まっている状態のまま前日から粒状尿素が上部から投入され続けたため、押し固められたものと考えられる。 このようなホッパーの目詰まりを取除くためには、人力でなくトラクターショベル機械を使用することが望ましいが、被害者は手で行なっていた。 また、同時に倉庫内で作業を行なっていた他の作業者は、被害者が粒状尿素の山の上に居ることを目撃し、地下ベルトコンベアが動いていることを確認しながら、地下のベルトコンベアのスイッチを切るか、または、被害者に山から降りるよう指示すべきであったのに、いずれの措置も行なわなかったことも原因の一つにあげられる。
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この災害は、親企業の倉庫において地下ベルトコンベアへの投入口が粒状尿素で目詰まりしたので、これを取除く作業を行なっているときに発生したものである。 このような作業のように、粒状尿素等の投入口ホッパーの目詰まりの取除き作業は少なからずあり、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 (1) 安全管理体制の整備 それぞれの事業者の責任において、安全管理体制を整備する。 (2) 安全作業マニュアルの策定 非定常作業の安全作業マニュアルを策定する。 (3) 安全教育の徹底 (4) 機械設備の安全化
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