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労働災害事例

搬送機の点検中、他者が搬送機を起動したため、点検台の桟と工場建屋の柱の間に挟まれ死亡した

搬送機の点検中、他者が搬送機を起動したため、点検台の桟と工場建屋の柱の間に挟まれ死亡した
業種 一般機械器具製造業
事業場規模 16〜29人
機械設備・有害物質の種類(起因物) その他の一般動力機械
災害の種類(事故の型) はさまれ、巻き込まれ
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 通路が確保されていない
発生要因(人) その他の職場的原因
発生要因(管理) 機械装置を不意に動かす

No.101690

発生状況

 被災者は、搬送機の点検作業の際、搬送機上部に設けられた点検台に乗り込もうと、点検台の手すり(桟)の隙間をくぐっていた。このとき、他の作業者がこの搬送機を起動したため、被災者が点検台の桟と工場建屋の柱の間に挟まれた。
 搬送機の起動時には、搬送機の操作者は周囲の作業者に声掛けを行っていたが、操作者と被災者の間が離れていたことから、被災者には聞こえていなかったと考えられる。点検作業に関する作業手順書は作成されていなかった。また、朝礼で作業時の注意事項が説明されたが、点検作業に関する安全教育は実施されていなかった。

原因

 点検台に乗り込むために、手すりの隙間を移動したこと
 点検台に乗り込むための設備(乗込み口など)が設けられていなかったこと
 合図者がいなかったこと
合図が伝わったかどうか確認しないまま搬送機を起動したこと
 点検作業の作業手順が定められておらず、安全教育が実施されていなかったこと

対策

 点検台に乗り込むための乗込み口を設置すること
 手すりの間から点検台に乗り込むことを禁止することや、点検台への乗込みは決められた箇所で行うこと
 搬送機の点検は、電源を切ってから行うことを基本とすること。やむを得ず、点検中に起動する場合には、合図者及び合図を定めて、危険箇所から退避したことや周囲の作業者に合図が伝わったことを確認してから起動すること(トランシーバーを用いて音声で確認するか、いわゆるグーパー確認をする)
 点検作業の作業手順を定め、安全教育を実施すること