酸化マグネシウム粉の製造施設が試運転中に爆発し、1名が死亡した
| 業種 | 産業廃棄物処理業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 5〜15人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 爆発性の物等 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 爆発 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | 設計不良 | |||||
| 発生要因(人) | 分類不能 | |||||
| 発生要因(管理) | 安全措置の不履行 | |||||
No.101685
発生状況
| この設備は、マグネシウム片(純度はほぼ100%)と少量の水素化マグネシウムを反応器内に仕込み、高温の水蒸気を送り込んで酸化マグネシウムに変化させ、冷却後に酸化マグネシウム粉と水素ガスに分離して回収しようとするものである。 品質向上のために運転条件を変えて試運転を繰り返していたところ、爆発が起こり、同設備の上部に登ってバルブ操作と運転状況の確認をしていた被災者が死亡した。 |
原因
| 設計上は、装置の密閉性が高く、外部の空気が装置内に流れ込むことはない。水蒸気の吹き込みによって、装置内の空気が排気され、反応時に発生する水素による爆発は起こらない想定だった。 しかし、装置の温度は100℃には至っておらず、水蒸気によるガス置換は完全ではなかった。このため、残留していた空気と発生した水素が化学反応を起こし、高熱部など何らかの着火源により爆発したと考えられる。 |
対策
| ・ | 反応容器に耐圧性を持たせ、運転前に真空あるいは減圧によるガス置換を行い、空気を排除すること |
| ・ | 窒素などの不燃性ガスの吹き込みと排気を繰り返し、空気を排除すること |
| ・ | 装置に酸素濃度計を設置すること |
| ・ | 万一、爆発が起きても、その爆発圧力に耐えられる構造にすること |
厚生労働省