反応性物質の爆発
業種 | 化学工業 | |||||
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事業場規模 | 1000人以上 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 爆発性の物等 | |||||
災害の種類(事故の型) | 爆発 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 憶測判断 | |||||
発生要因(管理) | その他の不安全な行為 |
No.101676
発生状況
蒸留プラントで原料の仕込み作業をしていたが、機器故障のため作業を中断した。別の作業者が、異音を聞いてから約5分後に爆発が起きた。火災は発生しなかった。反応容器はバラバラとなってプラントは大破し、200m以上離れた敷地外の住宅や店舗の窓ガラスが破損した。 爆発したプラント付近には誰もおらず、けが人はいなかったが、別棟にいた3人が軽傷を負った。 |
原因
・ | 原料中に不純物があり、中和工程で、強アルカリの存在下で異常反応を起こして、不安定な物質を生成していたこと |
・ | 原料も製品も熱的には安定であるとの分析結果から、反応中も安定だろうと推測していたが、中間生成物の不安定物質に対する事前の危険性評価が不十分であったこと |
対策
・ | 中和反応は発熱反応のひとつであり、温度変化に対しての注意が必要である。発熱量を管理し、場合によっては冷却装置を使用する |
・ | 規模を大きくすると、物質の不均一性や加熱・冷却効率の低下の問題が生じる。また、副反応や副生物についても事前に評価する必要がある |
・ | 現場判断でなく、管理や技術部門と情報を共有し、危険性が低くなるような投入順や投入方法とする |
・ | 異常時対処のため、製造担当者は、製造設備やプロセスの内容を十分に理解する |