合成ゴム製造工場で火災
業種 | ゴム製品製造業 | |||||
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事業場規模 | 100〜299人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | その他の材料 | |||||
災害の種類(事故の型) | 火災 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業手順の誤り | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | その他の不安全な行為 |
No.101674
発生状況
合成ゴム製造工場において、重合反応後の合成ゴムから水分を除去するため、合成ゴム押し出し乾燥機を起動したところ、約3分後に乾燥機から出てきたゴムが発火していた。直ちに乾燥機を停止し、散水装置を作動させたが、発火したゴムが次工程の室内に運ばれ、火災となった。火は、散水装置と消火器により消し止められ被災者はいなかった。 |
原因
・ | 押し出し乾燥機は、合成ゴムに約25気圧の圧力をかけ、その圧力が解放された瞬間に水分が急速に気化することを利用している。通常時の出口温度は約140℃である。 |
・ | 圧縮の回転数は起動時が70%であり、定常状態になるまで徐々に上げることになっていたが、最初から100%に上げたため、合成ゴムの局部的な温度が圧縮と摩擦熱によって急速に上がった。温度センサーが設置されていたが、出口付近にあったためその温度上昇を検知できず、発火したと推定された。 |
・ | 運転マニュアルに起動時の70%運転とその保持時間が規定されていなかった |
対策
・ | スタート時、シャットダウン時は、温度や圧力などが刻々と変わり定常運転時とは異なる。急激な変化はできるだけ避ける |
・ | 温度センサーの場所は、仕上がりを調整するには出口付近が良いが、安全管理の観点で全体を確認するために複数のセンサーを設ける |
・ | 加熱操作がなされなくても、機械エネルギーや圧力エネルギーによる摩擦や圧縮によって物質の温度は上昇することに留意する |