リチウムイオン二次電池部材製造設備をプラズマ溶断で解体中、設備内に滞留したメチルエチルケトンが溶接火花により引火爆発
業種 | その他 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 引火性の物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 爆発 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | |||||
災害の種類 | ||||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業環境の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 誤った動作 |
No.101670
発生状況
本災害はリチウムイオン二次電池製造設備撤去を行う作業中に発生したものである。当日、リチウムイオン二次電池の部材を製造する設備の撤去作業において、処理槽の解体のためプラズマ溶断を仕掛けていた被災者が、爆発の発生により爆風で3.2m程度飛ばされ死亡した。溶断箇所の内部に滞留していたメチルエチルケトンが、スパッタ等の熱を着火源として引火し、爆発に至った可能性がある。 本件工事発注者は処理対象設備の架台下部空間内部に爆発危険が存在する可能性を認識せず、当該設備に爆発危険箇所があることを含めた危険性等の情報提供を実施していなかった。 |
原因
・ | 工事発注者が、処理対象設備に爆発危険が存在する可能性を認識せず工事施工者側に危険情報を伝達していなかったこと |
・ | 引火性液体が設備架台内部に残留していることに気づかなかったこと |
・ | 作業指揮をすべき立場にあった現場監督及び現場監督代理がプラズマ溶断作業の着手について把握していなかったこと |
対策
・ | 工事発注者は、設備稼働時に使用されていた物質やそれが残留する可能性及び物質の危険有害性などの情報を工事施行者に情報提供すること |
・ | 工事施工者は作業に係る危険有害性の情報の提供を求めること |
・ | 可燃性液体が滞留していることを想定したリスクアセスメントを実施すること |
・ | 現場監督者は作業の指導や監督、現場の巡回、点検等を行い現場に即応した安全衛生を確保するための作業指示を行うこと |