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労働災害事例

鉛蓄電池を搭載した車内で電池劣化により硫化水素が発生し、硫化水素中毒で2名死亡

鉛蓄電池を搭載した車内で電池劣化により硫化水素が発生し、硫化水素中毒で2名死亡
業種 警備業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 危険物、有害物等
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:2人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業環境の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) その他の不安全な行動

No.101667

発生状況

 本災害は高速道路の車線舗装工事における交通誘導及びコーン、夜間照明確認の巡回警備作業で生じたものである。当日、高速自動車道の舗装工事中、リース会社から賃貸した特殊改造車輌(ソーラーパネルから鉛蓄電池に充電可能)で、被災者2名が工事現場内の夜間巡回を行っていた。夜間巡回後、工事エリアの端に停車し仮眠をとったがその間エンジンを稼働し続けていた。早朝、車の中で意識不明の状態で発見され、救急搬送されたが被災者2名とも死亡した。

原因

 自動車用バッテリーである鉛蓄電池を本来の目的外の用途で使用したこと
 密閉空間での使用が禁止されている鉛蓄電池を取扱説明書の警告表示を無視して車内に増設したこと
 鉛蓄電池の日常・定期点検が実施されずに改造後2年半にわたり使用されたこと
 古くなった鉛蓄電池に対し長時間過充電が行われたこと

対策

 取扱説明書の内容を遵守すること
 日常・定期点検の際に外観の変形等や鉛蓄電池の電解液量を確認すること