製油所での可燃性ガス処理設備の配管伸縮継手部補修工事における火災
業種 | その他 | |||||
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事業場規模 | 1〜4人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 可燃性のガス | |||||
災害の種類(事故の型) | 火災 | |||||
建設業のみ | 工事の種類 | |||||
災害の種類 | ||||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 誤った動作 |
No.101655
発生状況
本災害は、製油所のフレアー設備(副生する可燃性ガスを燃やすための設備)の配管伸縮継手部の補修工事において、当該補修の障害となる付属金具をエアーソーにて切断していた際に発生した火災である。当日は、定期修理実施に向けた配管内のガス除去のため、切断工事とは別作業である水素配管の窒素パージ作業が切断作業開始前に行われた。この作業で水素配管に滞留していたガスにより配管圧力が上がったことで操作者が慌て、フレアー設備へのバルブを手動で「開」にしたところ、フレアー設備の配管内に窒素パージにより押し出された水素が流れ、その結果、伸縮継手部より水素や軽質炭化水素ガスを含むフレアーガスが漏洩した。エアーソーを使用して伸縮継手部の付属取付金具を切断中、エアーソーの切断時に生じた火花を着火源として、フレアーガスに引火、火災となった。 |
原因
・ | 発注者側と元方事業者・関係請負人側の現場監督者との間で連絡・調整が行われていなかったこと |
・ | 工事に関する作業標準が作成されておらず、リスクアセスメントが実施されていなかったこと |
・ | 工事とは別作業であるコンビナート水素受け入れ配管の窒素パージ操作を開始したことで、結果的に水素や軽質炭化水素ガスを含むフレアーガスが伸縮継手部から漏洩したこと |
・ | ガスの流出に気づかずエアーソーで切断作業を実施したこと |
対策
・ | 作業間の連絡調整等を徹底し、作業全体の安全衛生管理を十分に行うこと |
・ | 当該作業に関して作業標準の作成やリスクアセスメントを実施し、作業における危険性を関係労働者に周知すること |
・ | 関係者間で、当日の作業における実施してはならない作業を書面により明確にすること。また異常時の措置についてのマニュアルを整備すること |
・ | 火気作業は、火災のおそれのないことを確認した後に行うこと |