産業廃棄物の中間処理施設で、廃棄予定のライターのガス抜き中に発火・爆発し、作業員が負傷した
業種 | その他の廃棄物処理業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 可燃性のガス | |||||
災害の種類(事故の型) | 爆発 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業環境の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 危険物が入っているものの |
No.101654
発生状況
作業員3名でガス抜きの作業を行っていた。作業方法については責任者から指示はなく、作業員1名が考えたものだった。最初は、フレコンバッグから取り出したライターを両手に持ち、2本同時にライターのガス抜きボタンを押しっぱなしする方法で作業を進めていた。休憩後に、もっと効率良く行うために作業方法を変更した。まず、石製ブロック上に濡らしたタオルを置き、そのタオルの上でライターをハンマーで叩いた。次に、液状ガスが溜まっている部分(プラスチック製)とライター上部の着火部分(金属製)を分解し、液状のままガスを抜いた。約30分、作業を進めていたところ、急に爆発が起き、作業員1名が顔面火傷を負い休業した。残り2名は、爆発から避難する際に手足を打撲した。 災害発生現場ではフレコンバッグが燃えた跡があった。ガス抜き対象だったライターは、ほとんどが使い捨て式のガスを燃料とするガスライターだった。燃料は、ブタンガスを主成分とする可燃性の液化石油ガスである。液化石油ガスは、流れ出した後に気化するが、空気より重く下方に滞留する特性がある。換気扇は稼動していたが、ガスの濃度計はなかった。 |
原因
・ | 十分な換気を行うことなく、ガス抜き作業を屋内で行っていたこと |
・ | ガス抜きの方法が適切ではなかったこと |
・ | ガス抜き方法の作業手順が定められていなかったこと |
・ | ガス抜き作業に対する危険性を十分認識していなかったこと |
対策
・ | ガス抜き作業を行う際は、十分換気を行い、濃度計などを用いて、ガスの濃度を監視すること。爆発が発生する可能性を完全に排除できない場合などは、屋内でのガス抜き作業を禁止すること |
・ | ガス抜き作業の方法について、ガスの濃度が急激に高くなったり、ガスに着火することがないような安全な方法を検討し、採用すること |
・ | ガス抜き作業のような非定常作業についても、2.で採用した方法を基に作業手順書を作成すること。作成した作業手順書は、労働者の教育資料に活用したり、現場に備え付けるなどして、労働者周知徹底を行うこと |
・ | ガス抜き作業において、ガス爆発の発生、正しいライター等の危険物の取扱い方について教育等を実施し、労働者に危険性を認識させること |