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労働災害事例

栽培工場で、カビが付着した栽培培地を粉砕処理中に、粉じんを吸い込み過敏性肺炎となった

栽培工場で、カビが付着した栽培培地を粉砕処理中に、粉じんを吸い込み過敏性肺炎となった
業種 食料品製造業
事業場規模 100〜299人
機械設備・有害物質の種類(起因物) その他の起因物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:12人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業方法の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) 誤った動作

No.101643

発生状況

 栽培培地(おがくず製)にカビが多量に生えていたため、粉砕機で当該培地を粉砕して農家に肥料として提供予定だった。培地の粉砕作業開始から数分後、給気ファンと排気ファンを稼働させたが、視界が悪くなるほど粉じん濃度が高くなり、作業を中止した。その後、粉じんにばく露した被災者は、発熱・咳等の症状が現れ、各自で病院を受診した。その結果、作業に従事していた約10人が、過敏性肺炎と診断された。
 粉砕機はベルトコンベアで培地を自動投入できる仕組みだったが、災害発生時は人力で投入しており、排気装置や注水設備は備えられていなかった。作業員は簡易マスクを着用していたが、防じん機能があるものではなかった。

原因

 栽培培地に多量のカビが繁殖していたこと
 カビが繁殖した栽培培地を短時間で大量に粉砕機で粉砕したことにより、大量の粉じんが発生し、作業者がこれにばく露したこと
 粉じんの発生を抑える措置や、有効な呼吸用保護具を着用していなかったこと
 作業開始前に作業の危険性・有害性について十分検討しなかったこと

対策

 大量の有機粉じんが発生する作業方法を見直すこと。カビ等が多量に付着した培地を粉砕機で粉砕する場合は、注水する等、粉じんの飛散を防止したうえで行うこと
 やむを得ず、粉じんにばく露するおそれがある場合は、有効な呼吸用保護具を使用すること
 リスクアセスメントの観点から、作業前に作業の危険有害性・頻度等を調査・評価し、作業方法等について危険有害性を低減する措置を講じること
 有機粉じん対策について、関係労働者への教育・周知を徹底すること