資材置場の草刈り後、ドラム缶に草と混合ガソリンを入れて焼却しようとしたところ、被災者に引火して死亡した
業種 | 金属製品製造業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 引火性の物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 高温・低温の物との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 危険な状態を作る |
No.101640
発生状況
工場の資材置場で、草刈り作業を行っていた。被災者は刈り取り後の草をドラム缶に入れて燃やそうとし、刈払機の燃料である混合ガソリンを注ぎ、自分のライターで火を付けた。ガソリンは急速に燃え広がり、被災者はドラム缶付近で炎に包まれた状態で発見された。付近にいた労働者が直ちに消火し、被災者は病院に救急搬送されたが、1か月半後に死亡した。 なお、刈り取った草の処分方法は指示しておらず、焼却作業は被災者の自己判断だった。草を放置して枯死させる申し合わせもなかった。 |
原因
・ | 刈り払った雑草の燃焼処理を促進させるため、混合ガソリンを使用したこと |
・ | 混合ガソリンに、ライターを熱源として点火したこと |
・ | 作業指揮する者が指名されていなかったこと。また、作業指揮する者に労働者の作業内容を決定させていなかったこと |
・ | 労働者が行うべき作業内容が明確になっておらず、被災者が自己の判断で刈り払った雑草の焼却処理を行ったこと |
・ | 混合ガソリンの特性を関係労働者に周知するなど、安全教育を行っていなかったこと |
対策
・ | 刈り払った雑草は焼却処理しないこと |
・ | 混合ガソリンは極めて引火しやすいため、火気その他の点火源となるものを接近させないこと。ガソリンは流動などの際に帯電し、放電火花によって引火することもあるため、混合ガソリンが入った容器を持ち運びする際には、できる限り揺れ動きがないようにすること |
・ | 作業指揮者を指名したうえ、その者に各労働者の作業内容を決定させること |
・ | 作業指揮者に、各労働者の作業について直接指揮を行わせること |
・ | 混合ガソリンの安全データシート(SDS)を取得して、関係労働者に対して混合ガソリンの特性を周知するなど、安全教育を行うこと。また、混合ガソリンを入れる容器は、ガソリン専用の携行缶を使用し、労働安全衛生法第57条に準じたラベル表示を行うこと |