船内タンクのベンゼンスラッジ清掃中に急性ベンゼン中毒により死亡
| 業種 | 清掃・と畜業 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 事業場規模 | 5〜15人 | |||||
| 機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
| 災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
| 被害者数 |
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| 発生要因(物) | ||||||
| 発生要因(人) | ||||||
| 発生要因(管理) | ||||||
No.101630
発生状況
| 被災者は、船内タンクに堆積したスラッジ(粗製ベンゼン及びコールタールを含有した汚泥)を手作業により洗浄する作業を行っていた。事業場の代表取締役が被災者の異変に気づき、タンクの外へ出そうとしたところ、被災者は意識を失い(外傷なし)救急搬送されたが、搬送先の病院にて死亡が確認された。死因は急性ベンゼン中毒であった。作業中に防毒マスクと顔の隙間や、排気弁にベンゼンが付着したことにより、マスク内にベンゼン蒸気が流入したものと思われる。被災者は防毒マスクと顔の間にタオルを挟んだ状態で防毒マスクを装着していた。また、作業手順がなかったため、吸収缶の交換頻度についても定められておらず、使用していた吸収缶が破過していた可能性がある。 |
原因
| ・ | 作業手順が用意されていなかったこと |
| ・ | タンク内の物質に関するリスクアセスメントが不十分であったため、適切な保護具の選択ができていなかった可能性があること |
| ・ | 呼吸用保護具の使用方法の教育が不足していたこと |
対策
| ・ | マスクの装着時に顔とマスクの間にタオルを挟まない。隙間ができないようにして、フィットテストを行う |
| ・ | 呼吸用保護具(特に排気弁や吸入口)は清浄な状態を保って使用する |
| ・ | リスクアセスメントを行い、作業手順を定め、周知・教育する。特に、高濃度のベンゼンやコールタール由来の有機化合物の蒸気がある環境で重作業を行う際には、適切な保護具を選択し、防毒マスクの吸収缶の交換頻度を上げる必要があることに留意する |
厚生労働省