フロン系溶剤の急激な蒸発により発生した蒸気にばく露し中毒、酸欠
業種 | 製造業 | |||||
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事業場規模 | 300〜999人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101629
発生状況
金属部品の自動洗浄(脱脂)装置のメンテナンス作業の際に、自動洗浄装置内部の蒸気発生槽から洗浄液を抜き取り、エアーチューブを使用して蒸気発生槽内にエアーを吹き付けて洗浄液(主成分:HFC-43-10mee 94〜99%)の蒸気および残液を排出し、その後、蒸気発生槽の天板に位置する点検口の上から槽内を覗き込む姿勢で作業をしていたところ、意識を失い痙攣状態となった。酸欠が起こる作業であるにもかかわらず、酸素濃度計が壊れていたことから酸素濃度を測定せずに作業を実施していた。 |
原因
・ | 窒息等の危険性に対する教育および認識が不足していたこと |
・ | 作業時にモニターすべき酸素濃度を、装置が故障していたために測定していなかったこと |
対策
・ | フロン類は危険有害性が低いとされているが、残液が少量でも蒸発すると体積が増え、その結果として周囲の空気が押しのけられて酸素濃度が低下するため、十分なパージを行ったのちでも酸素濃度の測定は必須である。酸素濃度計の故障などにより酸素濃度が測定できない場合には、作業を中止するか、故障に備えて代替用の酸素濃度計を用意して運用する |
・ | フロン類を使用したタンク内で作業する際は、適切な防毒マスクによるフロン類のばく露防止対策に加えて、酸欠の対策が必要なので、タンク内の複数点で酸素濃度を測定して内部の安全を確かめる |