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労働災害事例

食品製造工場で、滅菌作業中の圧力容器が破裂し、建屋が損壊した

食品製造工場で、滅菌作業中の圧力容器が破裂し、建屋が損壊した
業種 食料品製造業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 圧力容器
災害の種類(事故の型) 破裂
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 物自体の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) 運転中の機械、装置等の掃除、注油、修理、点検等

No.101616

発生状況

 当該事業場では、第一種圧力容器を用いて、食品製造に係る工程の一環として、ビン等の滅菌作業を行っていた。当該圧力容器は小型ボイラーから蒸気を供給される構造であり、ボイラーの供給圧力は圧力容器の最高使用圧力よりも大きかった。
 災害発生時、ボイラーと圧力容器を接続するパイプの減圧弁のバルブが遮断されており、減圧弁を介さないバイパス経路により、ボイラーから圧力容器へ直接蒸気が流入する状態であった。そのため、圧力容器内に最高使用圧力を超えた蒸気が流入し、圧力容器は内圧に耐えられず破裂した。その際、圧力容器本体を地面に固定していなかったため、圧力容器は破裂の衝撃で大きく移動し、建屋内を破壊しながら滑走した。なお事業所内は無人だったため、人的被害はなかった。
 第一種圧力容器の設置時には、設置届/落成検査等の法定手続きが必要だが、当該圧力容器についてそれらは実施されておらず、検査証が発行されていなかった。そのため、設置から長期にわたって性能検査等の法定検査を受けておらず、災害発生時も安全弁が有効に機能していなかった。また、有資格者の中から「第一種圧力容器取扱作業主任者」を選任しなければならないが、講習等を修了した者がおらず選任されていなかった。

原因

1 当該圧力容器について、設置届、落成検査、性能検査等法定の検査を実施していなかったこと
2 有資格者のうちから第一種圧力容器作業主任者を選任し、当該圧力容器の運転・点検等について、必要な業務を行わせていなかったこと
3 当該圧力容器の安全弁等各種安全装置を適正に点検整備・調整していなかったこと

対策

1 法定の検査等を確実に実施し、検査証を交付された機械を使用すること
2 有資格者のうちから第一種圧力容器作業主任者を選任し、圧力容器等の運転・点検等について、必要な業務を行わせること
3 安全弁等各種安全装置について、定期的に、適切な整備・調査等を行うこと