グラップル機で伐木を搬出する作業中、グラップル機が横転し、運転席から被災者が投げ出され重機の下敷きになり死亡し
業種 | 木材伐出業 | |||||
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事業場規模 | 5〜15人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | その他の動力運搬機 | |||||
災害の種類(事故の型) | 転倒 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 防護措置・安全装置の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 危険な状態を作る |
No.101615
発生状況
被災者は、伐木を搬出する作業の土場で、フォワーダ(積載式集材車両)の荷台から木材をグラップル機で搬出する作業に従事していた。フォワーダの荷台の木材5本(合計重量約1t)をグラップル機でつかみ、ブーム及びアームを最大限伸ばした状態で右旋回を行った。その際、グラップル機のエンジン出力が最大になっていたため旋回速度が速くなり、グラップル機がバランスを崩して横転した。グラップル機の運転席のドアは開けたまま固定されており、また被災者はシートベルトをしていなかったため、横転の際に運転席から投げ出され、グラップル機の下敷きになってしまった。被災者は病院に搬送された後、死亡した。 被災者はグラップル機の運転に係る特別教育を受けていなかった。 |
原因
1 | 伐木等機械の運転に係る特別教育を行っていない被災者に、グラップル機を運転させたこと |
2 | 被災者が運転操作に習熟していなかったため、ブーム及びアームを最大限前方に伸ばし、エンジン出力を最大にして旋回を行うなど、危険な操作が行われたこと |
3 | グラップル機の運転席のドアを開けて、運転操作していたこ |
4 | グラップル機の運転席のシートベルトを使用していなかったこと |
5 | 木材搬出作業について、作業計画を定めていなかったこと |
対策
1 | グラップル機の運転の業務に就かせる労働者には、特別教育を実施すること。さらに、同種機械の運転経験がない労働者を雇い入れた場合には、特別教育を実施するだけでなく、安全な運転操作が身につくまで、適切な指導を継続すること |
2 | グラップル機の運転操作のうち、原木をつかんで旋回する際には、エンジン出力を下げること。可能な限りブーム及びアームを折りたたむこと。旋回レバー操作は、衝撃や反動がないようにゆっくりすること |
3 | グラップル機を運転する際には、運転席のドアを閉めること |
4 | 転倒のおそれがある路肩、傾斜地等ではなくても、グラップル機を運転する際には、運転者にシートベルトを使用させること |
5 | あらかじめ作業計画を定め、当該作業計画により作業を行わせること |