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労働災害事例

畜産現場でのポリタンクから次亜塩素酸ナトリウムの漏洩、中毒

畜産現場でのポリタンクから次亜塩素酸ナトリウムの漏洩、中毒
業種 畜産・水産業
事業場規模 100〜299人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 物自体の欠陥
発生要因(人) 分類不能
発生要因(管理) 不安全な放置

No.101603

発生状況

 前検室にて鶏卵の検卵を行っている際、息苦しさや気管の痛みを感じ、早退して病院を受診し、次亜塩素酸中毒疑い、表在性点状角膜炎と診断されたもの。前検室には、消毒用の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の入ったポリタンクが置かれていたが、一部が破損していたため、水溶液が床に漏出していた。次亜塩素酸ナトリウムが自然分解し、塩素ガスが発生したと考えられる。被災者はマスクを着用していたが、有毒ガス対応のものではなかった。前検室の窓は作業開始前は開放していたが、作業開始後は閉めていた。漏出量は約9.29Lと算出された。

原因

1 SDSの未入手
2 適切な保護具未設置
3 安全衛生教育未実施
4 装置・設備の管理不足・点検不備
5 装置・設備の点検・管理体制不備
6 作業主任者・管理責任者等の職務不履行
7 機器・設備の破損

対策

1 化学物質を取り扱う際には、SDS(安全データシート)を入手・確認する等により、成分や各含有量、危険有害性の区分、取り扱い上の注意、法令の適用関係等を調査し、化学物質等による危険性又は有害性等を適切に把握し、労働者に対する教育の実施、適正な保護具の備え付け等の必要な措置を講ずること。
2 使用する化学物質を含む溶液については上記[1]を踏まえ、密閉容器を用いる、使用時以外は蓋を閉めるなどの蒸気の発散防止、亀裂の有無の確認など保管容器の状態について定期的に点検を行うなどの漏えい防止対策を講ずること。
3 化学物質が漏えいした場合、もしくは漏えいが疑われる場合は、早急に原因を調査し明らかにしたうえで、SDS等で定められた適切な方法で処理を行うとともに、適切な保護具を使用し、十分な換気を行うなど、必要な対策を講ずること。