ステアリン酸, ヘキサデカン酸, テトラデカン酸等の混合脂肪酸の漏洩と加熱環境下での酸化分解による自然発火
業種 | 製造業 | |||||
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事業場規模 | 300〜999人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 化学設備 | |||||
災害の種類(事故の型) | 火災 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 部外的、自然的不安全な状態 | |||||
発生要因(人) | 分類不能 | |||||
発生要因(管理) | 安全措置の不履行 |
No.101602
発生状況
合成ゴム製造部、仕上室内の押出機ノズルの固定ボルトが緩み、内容物(混合脂肪酸)が漏えいし、火災となったもの。ノズルはインジェクションノズルと呼ばれるもので、押出機内部に滑材と呼ばれる混合脂肪酸等が投入される部分。漏えいした固定ボルトの点検、増し締めはノズル設置以降、実施されていなかった。なお、火災は担当部署の労働者により消火され、被災者はいなかった。混合脂肪酸の漏洩量は極少量であり、加熱環境下での酸化分解により自然発火したものと推定される(発火点310度)。 |
原因
1 | リスクアセスメント未実施 |
2 | 装置・設備の管理不足・点検不備 |
3 | 装置・設備の点検・管理体制不備 |
対策
1 | 固定ボルトの緩みを防止すること。単に固定ボルトの増し締めを行うのみではなく、Oリングの変形や劣化によるシール性能の低下を防止すること。 |
2 | 固定ボルトの締め付けに関する定期的な点検を行うこと。Oリングやガスケットは定期的な交換を行い、定期交換時の状態に応じて、適正な交換時期を設定していくこと。ボルトの締め付け状態が容易に判断できるようマーキング等による「見える化」を実施すること。 |
3 | 運転に関する設備の熱変動を小さくし、リスク低減に努めること。 |
4 | 平成17年の法改正(労働安全衛生法第28条の2「事業者の「行うべき調査等」)以前に設置された設備においても危険性、有害性等の調査を行い、その結果に基づいて、リスク低減措置を講ずるよう努めること。 |