加熱炉内チューブ内で高温酸化腐食による開孔と漏洩した原油への引火
業種 | 石油製品・石炭製品製造業 | |||||
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事業場規模 | 300〜999人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 化学設備 | |||||
災害の種類(事故の型) | 火災 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 物の置き方、作業場所の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 分類不能 | |||||
発生要因(管理) | 機械、装置等の指定外の使用 |
No.101594
発生状況
加熱炉にて原油の蒸留工程中に、加熱炉内チューブ付近にて異常燃焼を確認したため、原油漏洩と判断し、加熱炉を停止させたもの。加熱炉チューブはバーナーとの距離が近く、熱負荷が高い状態であったが、プロテクタの取付はなかった。高温酸化腐食環境下でチューブの減肉が進み、開孔し、漏洩、火災となったと推定される。原油の漏洩量は約4.2リットルと算出された。開口部近傍の肉厚は0.9mmである(元厚8.0mm)。チューブ内面にコークス層が生成して伝熱効率が低下し、外面温度計による温度管理が適切に行われていなかった。 |
原因
1 | 装置・設備の管理不足・点検不備 |
2 | 亀裂・開孔(ピンホールなど)による漏洩 |
対策
1 | 加熱炉チューブの外面温度を管理値内とし、加熱炉チューブ内のコークの生成(加熱炉チューブの伝熱の効率が低下)を防止するため、運転温度の見直し等運転温度の管理を適切に行うこと。また、熱負荷が高い箇所にプロテクタを取り付ける場合、脱落しない取付、また脱落の有無等を日常点検で確認すること。 |
2 | 常圧蒸留装置加熱炉について、外面温度計の増設、加熱炉チューブの外面温度に係る日常点検等を実施し、加熱炉チューブの温度管理を行うこと。 |