貯蔵タンクへの移し替え作業時に管内圧力増大し、移送管破裂による塩酸の漏洩
業種 | 陸上貨物取扱業 | |||||
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事業場規模 | 16〜29人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | その他の装置、設備 | |||||
災害の種類(事故の型) | 破裂 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業環境の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 危険な状態を作る |
No.101591
発生状況
船から事業場の2つの塩酸貯蔵タンクへ35%塩酸を移送する作業中、タンクAへの移送完了後、タンクBに切替えたが、別の作業を行っていた者が、切替えが未完了だと錯覚し、タンクAへのバルブを閉じるつもりで、間違って、タンクBへのバルブを閉じた。このため塩酸が移送先を失い、配管内圧力が上昇して、継手部分が破裂し、940kgの35%塩酸が漏えいした。タンクの切替えは当該作業員は知らされておらず、元から入っていた塩酸で、液面計が指示値を超えていたため、タンクAへの移送が継続していると錯覚したもの。 |
原因
1 | 作業標準書・マニュアルの不備 |
2 | 関係者間の連携・連絡体制不備 |
3 | 作業者の作業手順・指示等の不履行 |
4 | 作業主任者・管理責任者等の指示内容の検討不足 |
対策
1 | 配管継手の耐久圧力について、当該配管継手に対して、35%塩酸を移送する時の圧力0.3MPaを超える圧力が与えられた場合でも破裂することのない配管継手を使用すること。 |
2 | 船から事業場へ移送中の塩酸について、タンクAのバルブとタンクBのバルブを同時に閉めないよう以下のア及びイを講ずること。 ア 35%塩酸の移送先のタンクを切り替える作業(当該作業を行う作業員数及びタンクAからタンクBへ切り替えるためのバルブの操作方法を含む)について、明文化した作業手順を定め、作業員に当該作業手順を従わせること。 イ 作業員が休業した時と通常時の各チームの作業内容を明確にし、他チームの作業を補完する場合には補完する作業内容を明確にすること。又、他チームの作業を補完する場合には、補完する作業について連絡調整等を行うこと。特に35%塩酸の移送先のタンクを切り替えた場合には、バルブを操作する可能性がある作業者に対して切り替えたことを周知すること。 |