タンクの内壁を清掃中に、タンク内部に残留していたジクロロメタン中毒により死亡
業種 | その他の化学工業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101582
発生状況
高さ350cm、直径205cmのウレタン原料混合タンク(反応釜であるが第一種圧力容器には該当しない)内の底部に倒れていた被災者(防毒マスクは外れていた)が発見されたもの。被災時の目撃者はいないため、災害発生状況の詳細は不明だが、被災者近辺にシェーパー(タンク内の壁面を清掃する手持ち金属用具)が落ちていた。また、当該タンク開口部の蓋は開いており、当該タンク内に前夜入れてあった洗浄液(ジクロロメタン)約10〜20Lは抜かれていた。なお、被災者は、肺水腫を発症していた。解剖の結果、ジクロロメタンによる中毒死と判断された。 |
原因
1 | 適切な保護具未着用 |
2 | 適切な呼吸用保護具未着用 |
3 | 安全衛生教育未実施 |
4 | 換気不足 |
5 | 作業員への連絡不足 |
6 | 作業者の危険有害性認識不足 |
7 | 作業者の経験不足/初めて |
8 | 作業者の作業手順・指示等の不履行 |
9 | 作業主任者・管理責任者等の危険有害性認識不足 |
対策
1 | 防毒マスクの着用方法、送気マスクの使用、吸収缶の破過時間について労働者への教育と管理を行うこと。 |
2 | タンクの内部に入る作業において、安全に作業を行える作業標準を見直しし、関係労働者に周知を図ること。 |
3 | 上記2の作業標準において、一人で作業を行うことを禁止すること。 |
4 | タンクの内部に入る労働者に限らず、近辺で作業する労働者に対してタンクの構造(特に羽の構造)の安全衛生教育を行うこと。 |
5 | 使用する有機溶剤について、危険性又は有害性の調査を行い、関係労働者に対してその内容を十分に周知を図ること。 |