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労働災害事例

変圧器分解前の確認作業中に、洗浄処理後、残留していたイソプロピルアルコールにライターの火が引火し、爆発による転落

変圧器分解前の確認作業中に、洗浄処理後、残留していたイソプロピルアルコールにライターの火が引火し、爆発による転落
業種 清掃・と畜業
事業場規模 16〜29人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 引火性の物
災害の種類(事故の型) 爆発
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.101581

発生状況

 購入した中古の変圧器(全体の大きさ:長尺 267.5cm×短尺 180cm×天井面の高さ 280cm)を輸出するために分解する前段階で、被災者が天井面に乗り、天井面の開口部付近でライターに火を点け、これで開口部から内部を照らそうとしたところ、爆発が発生し、被災者は爆発による気流で地面に墜落して上記負傷を負った。変圧器はポリ塩化ビフェニル(以下「PCB」という。)を処理後に廃棄されたものであったが、その洗浄処理に用いたイソプロピルアルコールが変圧器内部に残留していたものと推定される。

原因

1 リスクアセスメント未実施
2 作業環境管理不足
3 関係者間の連携・連絡体制不備
4 作業者の危険有害性認識不足
5 作業者の作業手順・指示等の不履行
6 作業主任者・管理責任者等の指示内容の不備

対策

1 変圧器内の通風を十分に行わない状況下での変圧器周辺での火気の取扱いを原則禁止すること。
(変圧器は分解された状態で納品されることが多く、本件のように分解されていない場合は、基本的には分解の作業を協力業者に請け負わせているが、事業場においても分解する場合があり、その場合、分解の際に、溶断することがあるとのこと。)
2 事業場に搬入される変圧器について、PCB処理に用いた洗浄用アルコールが残留している可能性及びその危険性・取扱注意事項について、出荷元からの情報が正確に伝えられる体制を構築すること。
3 必要の有無にかかわらず、適切な墜落防止措置をとらないまま高所に昇ることを禁止すること。