1,3−ジイソプロピルカルボジイミドを含む汚泥の掻き出し作業中に、残留物の暴露による化学熱傷

業種 | 化学工業 | |||||
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事業場規模 | 100〜299人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101578
発生状況
1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(以下「DIC」という。)の製造実験を行っていた。製造品の切り替え整備を行う際に、床のU字溝から同製剤を含んだ汚泥を掻き出したところ、汚泥の周辺に同製剤の蒸気が漂い、この蒸気に作業者が暴露したもの。 製造に使用した反応器を洗浄した際に希硫酸を添加して中和したものの、これが充分に中和されず、排出された洗浄廃液に当該物質が残留していたものと思料される。作業者は、途中で臭気を感じるまで、防毒マスクを着用していなかった。なお、DICの製造作業に伴うリスクアセスメントを実施済みであったが、製造実験計画の策定段階では、後整備における分解、中和作業時の残留リスク(分解、中和が不完全の想定)に対する検討がなされていなかった。 |
原因
1 | 適切な呼吸用保護具未着用 |
2 | リスクアセスメント不足 |
3 | 作業標準書・マニュアルの不備 |
4 | 作業者の作業手順・指示等の不履行 |
5 | 作業主任者・管理責任者等の指示内容の検討不足 |
対策
1 | 「DIC」の製造(オープン時)及び後整備の作業においては、一貫して「防毒マスク」を着用して従事すること。 |
2 | 「75%硫酸」で「DIC」分解、中和した後の廃液については、「放流」による処分を廃するか、若しくは確実に分解がなされているかを確認してから「放流」すること。 |
3 | 「75%硫酸」による「DIC」分解は1バッチ毎に実施するなど、より分解が促進される方法とすること。 |
4 | 『製造実験計画』の内容を変更するときは、都度、リスクアセスメントを実施し、リスク低減措置を講じた後の残存リスクを明らかにして従事者に周知すること。 |
5 | 上記1〜4を踏まえた安全作業標準を再度策定すること。 |