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労働災害事例

グローブボックス内でトリメチルインジウムの回収作業中、メタンガスの発生によりグローブボックスが大破し損傷

グローブボックス内でトリメチルインジウムの回収作業中、メタンガスの発生によりグローブボックスが大破し損傷
業種 無機・有機化学工業製品製造業
事業場規模 1000人以上
機械設備・有害物質の種類(起因物) 爆発性の物等
災害の種類(事故の型) 爆発
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.101573

発生状況

 工場内で有機金属化合物であるTMIをグローブボックスで回収する作業を行っていた。回収作業は、トリメチルインジウム(以下「TMI」という。)残存容器に残っているTMIを加温、昇華させ、回収容器に配管を通して移す作業である。他の作業で使用した際の水が回収容器に残っていたため、TMIと水が反応し、急激にメタンガスが発生、圧力上昇により容器の蓋が外れ、さらにグローブボックスが大破、火災が発生したもの。グローブボックス大破により、グローブボックスを構成するアクリル板が破損し、アクリル板の破片により被災。グローブボックスは前回点検で異常なしであった。なお、TMI回収作業に係るリスクアセスメントは行われていたが、今回の残存容器に水が混入したケースは想定されていなかった。

原因

1 リスクアセスメント不足
2 作業標準書・マニュアルの不備
3 安全衛生教育不足
4 装置・設備の管理不足・点検不備
5 関係者間の連携・連絡体制不備
6 作業者の危険有害性認識不足
7 作業者の作業手順・指示等の不履行

対策

1 TMI残存容器について、使用履歴、用途等管理を徹底すること。
2 TMI残存容器を取り扱う従業員に対し、安全衛生教育を実施し、TMIの危険性の認識等を向上させること。
3 TMI残存容器を取り扱う際の作業標準を再度周知し、作業標準の遵守を徹底すること。