原油タンクのクリーニング中、スラッジの自然発火により火災が発生
業種 | 化学工業 | |||||
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事業場規模 | 300〜999人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 爆発性の物等 | |||||
災害の種類(事故の型) | 火災 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101569
発生状況
事業場内のタンクから黒煙が上がり、火災の発生を確認したもの。当該タンクは、原油タンクとして使用した後、スロップタンクとして使用されていたが、当該タンクを休止する予定で、タンククリーニングを行っているところであった。発生原因としては内部のスラッジ(発火点 229℃)の除去に当たり、スラッジに含まれる硫化鉄が空気に接触し、酸化発熱反応により熱を持ち発火したものと推定される。スラッジは高さ1.5m程度の山(26×12m)を形成していた。硫化鉄の酸化発熱反応による自然発火に対し、水による湿潤化がタンク開放作業要領には記載されていたが、施工業者の工事施工要領書や安全対策書等には記載がなく、危険性の認識の共有がされていなかった。 |
原因
1 | 緊急時マニュアルの不備 |
2 | 安全衛生教育不足 |
3 | 作業環境管理不足 |
4 | 作業者の危険有害性認識不足 |
5 | 作業主任者・管理責任者等の指示内容の検討不足 |
対策
1 | タンククリーニングにおける硫化鉄の酸化発熱反応に対し、定期的に散水を行う等の対策を講じること。 |
2 | タンククリーニングに当たっては、硫化鉄の酸化発熱反応による自然発火等、作業において想定される危険性を施工業者に確実に情報提供すること。また、情報提供を行った内容について、事業場と施工業者の間で行われる作業に係る打ち合わせ等において、施工業者が行う対策等についても十分確認をすること。加えて、スラッジの山が局所的に存在する等、当初の予定していた作業と異なる状況を把握した場合は、事業場の「タンク開放作業要領」に基づき安全ミーティングを実施し、作業方法等の協議を確実に行うこと。 |
3 | タンククリーニング作業に従事する者に対し、硫化鉄の酸化発熱反応による自然発火等、作業において想定される危険性の教育を行うこと。 |