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労働災害事例

魚油が充填された停車中のタンクローリー車内で休憩していたところ、タンクローリーが動き出して海へ転落し、死亡した。

魚油が充填された停車中のタンクローリー車内で休憩していたところ、タンクローリーが動き出して海へ転落し、死亡した。
業種 道路貨物運送業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) トラック
災害の種類(事故の型) 墜落、転落
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業方法の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) 防護・安全装置を無効にする

No.101567

発生状況

 海に隣接した事業所で、被災者は積載荷重10トンのタンクローリーで魚油運搬作業に従事していた。当日、タンクから魚油をコンテナに移しかえる作業を3回予定しており、2回の運搬が完了し、タンクローリーへの魚油充填(3回目)が完了したところで、昼の休憩となった。被災者がタンクローリーの運転席後部で休憩していたところ、タンクローリーが車両前方に動き出した。タンクローリーは当該事業所敷地を出て、隣接する接岸道路(9.3m)を横断し、被災者を乗せたまま海に転落した。タンクローリーには、歯止めは使用されておらず、サイドブレーキも引かれていなかった。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 運転位置から離れるにあたり、サイドブレーキをかける、歯止めを置く等の逸走防止対策を講じていなかったこと。
2 上記1.の対策が講じられていない状態で、若干の傾斜があった等、何らかの理由により、タンクローリーが逸走したこと。
3 安全衛生教育等において、逸走防止対策の指示を徹底していなかったこと。

対策

 類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 運転位置から離れる場合は、サイドブレーキや歯止めを置く等の逸走防止対策を徹底すること。
2 長時間停車する場合は、平坦な場所で停車するよう、停車位置を定めておくこと。
3 逸走防止を含めた安全衛生教育を、定期的に実施すること。