下水道工事現場で交通誘導中に、作業帯から逸走してきた無人のダンプトラックに背後から轢かれて死亡した。
業種 | 警備業 | |||||
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事業場規模 | 100〜299人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | トラック | |||||
災害の種類(事故の型) | 激突され | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 不安全な放置 |
No.101566
発生状況
片側交互通行規制をしていた下水道工事現場において、被災者は工事予告板の前で交通誘導を行っていた。作業帯に停車していた無人のダンプトラックが逸走し、被災者は背後から激突されて轢かれた。ダンプトラックは、解体用重機を運搬し、作業帯で降ろしたあと、次の作業(破砕した舗装板の積み込み)予定があるため、エンジンを作動させたまま停車していたところだった。駐車ブレーキや車輪止めは使用されていなかった。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | ||
1 | 直接的原因 | |
ア | ダンプトラックを傾斜地に停車させたこと。 | |
イ | 運転者が坂道上に停車させたダンプトラックから降りる際(運転位置から離れる際)に、駐車ブレーキや車輪止めを使用する等、車両の逸走を防止する措置を講じなかったこと。 | |
2 | 間接的原因 | |
ア | 日頃より逸走防止を含む、安全な車両の駐車方法について、安全衛生活動の中で検討していない等、労働者の安全衛生意識が希薄であったこと。 | |
イ | ダンプトラックを使用して解体用重機を作業帯まで運搬することに作業方法を変更したことに関して、傾斜地における車両の停車方法を検討しなかったこと。また、この際、元方事業者に変更内容を報告せず、必要な安全上必要な指示を仰がなかったこと。 | |
ウ | 元方事業者は、作業場所の巡視時等において当初とは違う作業方法で行われていることに気付くことができず、安全上の必要な指示をする機会が失われたこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |||||
1 | 車両は、平坦安定な場所に停車させること。 | ||||
2 | 車両から降りる(運転位置から離れる際)は、エンジンを停止させる。駐車ブレーキや車輪止めを使用する際、車両の逸走防止措置を講じること。また、やむをえず坂道等傾斜地に停車させる場合は、マニュアル車の場合にはギアを傾斜とは反対方向に入れておくこと。また、オートマチック車の場合には、チェンジレバーを「P」に入れること。 | ||||
3 | 以下に留意し、車両逸走防止に十分配慮した作業標準を定め、すべての関係者に安全衛生教育を実施すること。
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4 | 作業方法を変更するときは、安全な作業方法について十分な検討を行うこと。また、変更について元方事業者に報告し、必要な指示を仰ぐこと。また、元方事業者は必要な指示を行うこと。 | ||||
5 | 元方事業者は、作業場所の巡視を確実に実施し、作業の実施状況や不安全行動および不適切作業の有無の確認を怠らないこと。この際、不適切な作業や不安全行動を確認した場合は、適宜指導を行うこと。 |