鶏舎2階出荷口で鶏が入ったラックをフォークリフト上の荷台に載せる作業中、荷台が傾き転落し、ラックの下敷きになり死亡した。
業種 | 畜産業 | |||||
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事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | フォークリフト | |||||
災害の種類(事故の型) | 墜落、転落 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | 防護措置・安全装置の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | その他の不安全な行為 |
No.101564
発生状況
被災者は同僚とともに、養鶏場の2階建鶏舎の2階から育成鶏を運び出す作業を行っていた。被災者は、育成鶏が入ったラック(約210kg)をフォークリフトで支えた荷台に載せる作業を担当していた。育成鶏が入ったラックを荷台の端に載せたところ、偏荷重で荷台が傾いた。被災者は荷台から約2m下のコンクリート地面に墜落した。ラックもコンクリート地面に落下して跳ね返って被災者の上に落ち、下敷きとなった。被災者は救急搬送されたが、死亡した。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
1 | フォークリフトのフォークに載せた荷台の横幅(1.81m)が鶏舎の2階出荷口の間口(1.71m)より広いため、荷台を2階の建屋内の床面に置かなかったこと。 |
2 | 育成鶏が入ったラック(約210kg)の積み込み作業を行ったとき、偏荷重が生じるように積載したこと。 |
3 | 荷台がフォークのみで支えられている場合の荷台に乗らない作業方法を、作業者に徹底していなかった。そのため、被災者が荷台に乗って育成鶏が入ったラック(約210kg)の積み込み作業を行ったこと。 |
4 | 荷台を使用するにあたり、フォークリフトの状態を確認せず、フォークが荷台のガイドレールに差し込まれていないままで荷台を使用したこと。 |
5 | フォークリフトを事業場以外の業者が使用することもあったが、業者に対してフォークリフトを戻す際の駐車場およびフォークの間隔の取り扱いなどについて指示を行っていなかったこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
1 | フォークリフトを使用してラックを荷台へ積み込む場合は、荷台を鶏舎の2階出荷口床面等に置けるように、出荷口の間口を広げる。または、荷台の横幅を縮めるなどの措置を講じること。 |
2 | 荷台にラック等を積載するときは、偏荷重が生じないように積載すること。 |
3 | 荷台がフォークのみで支えられている状態でやむをえず荷台にラック等の積み込み作業を行う場合は、荷台に乗らずに作業するよう、労働者に周知徹底を図ること。 |
4 | 荷台を使用する場合は、フォークリフトのフォークが荷台のガイドレールに差し込まれていることを確認した上で積載作業を行うこと。 |
5 | 事業場以外の業者にフォークリフトを使用させる場合は、役割分担に応じた作業標準を定め、かつ、当該作業標準により作業を行うよう、周知徹底を図ること。 |