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労働災害事例

工場内で2段積みしていたフレコンバッグの上段が落下して下敷きになり、窒息して死亡した。

工場内で2段積みしていたフレコンバッグの上段が落下して下敷きになり、窒息して死亡した。
業種 食料品製造業
事業場規模 16〜29人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 荷姿の物
災害の種類(事故の型) 崩壊、倒壊
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 物の置き方、作業場所の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) 危険な状態を作る

No.101562

発生状況

 当該の飲料水製造工場では、ペットボトルの材料(PET)が入ったフレコンバッグを2段積みで保管していた。下段のフレコンバッグに、穴が開いていたが、梱包用テープで補修し、2段積みのまま保管していた。作業者は1人でPETを投入する作業を担当しており、生産稼働に向けて準備作業を行っていた。休憩時間に被災者の姿が見えないため同僚が捜索したところ、フレコンバッグの下に被災者が倒れているのを発見した。現場付近にモップ、ちり取り、プラ板等が落ちていたことから、被災者は下段のフレコンバッグの穴から漏れたPETを掃除していたと考えられ、下段のフレコンバッグが変型し、上段のフレコンバッグが被災者の上に落下したと推定される。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 穴の開いたフレコンバッグを梱包用テープで補修しているものの、フレコンバッグを2段積み(補修部位に過度の荷重がかかる状態)で保存し続けていたこと。また、崩壊の恐れのあるはいをロープで縛る等の危険防止措置が講じられていなかったこと。

対策

 類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 穴が開いたフレコンバッグは、その強度が保たれないおそれがあるため、使用しないこと。作業中、誤ってフレコンバッグに穴を開けてしまった場合は、材料(PET)を新たなフレコンバッグに入れ替える等の措置を講じること。この場合、あらかじめ作業方法、作業手順を確立し、関係労働者に周知・徹底を図ること。また、はいの崩壊または荷の落下により危険を及ぼすおそれのあるときは、はいをロープで縛り、網を張り、くい止めを施し、はい替えを行う等、危険防止措置を講じること。