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労働災害事例

倉庫内で荷下ろし作業のあと、休憩後に歩行不能になり、熱中症による多臓器不全で死亡した。

倉庫内で荷下ろし作業のあと、休憩後に歩行不能になり、熱中症による多臓器不全で死亡した。
業種 道路貨物運送業
事業場規模 300〜999人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 高温・低温環境
災害の種類(事故の型) 高温・低温の物との接触
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業環境の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) その他及び不安全な行動のないもの

No.101561

発生状況

 被災者は、物流倉庫内の作業場で、輸送用トラックのロールボックスパレットからコンベアに荷物を下ろす作業を、午前8時〜11時まで行った。休憩後、休憩室から出ようとしたところ被災者は歩行不能となり、救急搬送されたが、熱中症による多臓器不全により死亡した。被災者は体調不良による休職から職場復帰したばかりだった。作業場は屋内で空調管理がされており、飲料水サーバーも作業場の近隣に設置されていた。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 体調不良による休職からの復帰直後であったことから、熱への順化が図られていなかったこと。
2 熱中症予防のための指標である暑さ指数(WBGT値)の測定を行っていなかったこと。
3 熱中症予防のための労働衛生教育が不十分であったこと。

対策

 類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 労働者の健康状態を把握し、熱への順化を図るための期間を設けるなど、就業上の措置を講ずること。
2 作業を行わせる場所の暑さ指数(WBGT値)をあらかじめ測定し、関係労働者にその結果を周知するとともに、その暑さ指数に応じた対策を実施すること。
3 熱中症予防のための労働衛生教育を徹底すること。