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労働災害事例

テレビ局スタジオ内において撮影作業中、ガス中毒

テレビ局スタジオ内において撮影作業中、ガス中毒
業種 映画・演劇業
事業場規模 30〜99人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:11人
不休者数:5人 行方不明者数:0人
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.101543

発生状況

 本災害は、テレビ用コマーシャルを製作するスタジオ内での撮影作業中に発生した。
 スタジオ内において撮影作業をしていたところ、撮影スタッフ32名のうち16名が、同日の昼から夜間にかけ、のどの痛み、咳、発熱、全身の倦怠感などの症状を訴え、救急搬送に至った。病名は全員「ガス中毒」であった。当日は、撮影の準備作業として、午前7時から床面を水性塗料で塗装する作業を行い、9時から11時までは乾燥させるため、スタッフの大半はスタジオの内外で準備を行っていた。11時から撮影を開始し、撮影時にはスタジオを締切りにし、換気の悪い状態で作業を行っていた。
 16名のうち10名は1日間、1名が2日間入院加療後に回復し、退院した。

原因

1 撮影時のスタジオ内部は、外気を閉ざしており換気状態が悪く、撮影スタッフの密度も高く、機材の使用もあり、高温高湿等も含め悪い環境下にあったこと。
2 エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレートが主成分であり、換気の悪い状態であったのでガス中毒を起こしたこと。
3 作業で使用する塗料等に関して、SDSの確認や関係者に対する周知を行っておらず、また、関係する作業標準の作成や、安全衛生教育の実施などが行われていなかったこと。

対策

1 屋内などのスタジオにおいて、多人数で撮影作業を行う場合は、使用する材料や機材、季節や天候により、有害性のある物や環境にばく露する危険性があることから、定期的な換気を徹底し、作業場所を新鮮な空気で維持すること。
2 撮影等で使用する材料(化学物質を含有する塗料や接着剤など)について、起こりうる中毒等の労働災害を未然に防止するため、事業者及び関係労働者がその危険有害性を認識し、リスクに基づく必要な措置を検討・実施する取り組みを行うこと。