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労働災害事例

6階建てのビル屋上での足場組み立て作業で、被災者が屋上の床スラブ上を移動中、開口部から23.5m下の地上まで墜落して死亡した。

6階建てのビル屋上での足場組み立て作業で、被災者が屋上の床スラブ上を移動中、開口部から23.5m下の地上まで墜落して死亡した。
業種 その他の建築工事業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 開口部
災害の種類(事故の型) 墜落、転落
建設業のみ 工事の種類
災害の種類
被害者数
死亡者数:1人 休業者数:0人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 防護措置・安全装置の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) 安全措置の不履行

No.101524

発生状況

 SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造6階建てのビル屋上において、解体用の防音シートを張るための足場組み立て作業中、被災者(学生アルバイト)は壁つなぎの部材(長さ1.3mの単管)を壁つなぎ増設作業中の鳶工に橋渡しをしようとして、屋上床スラブを移動中、解体ガラ投下用の開口部(幅1.7m×長さ3m×高さ23.5m)から、地上(1階床スラブ)まで墜落して死亡した。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 開口部立ち入り禁止とせず、覆い、囲い、手すりなどの墜落防止措置を講じなかったこと。
2 安全な作業スペースを確保せず、屋上を壁つなぎ増設作業のスペースとしたこと。
3 安全確保を盛り込んだ作業計画書策定、事業者間の協議組織、連絡・調整がなく、コンクリート工作物解体作業主任者の職務が的確に行われなかったこと。
4 不慣れな学生アルバイトに対し安全教育及び負担の軽減や不安全行動の禁止等が不十分であったこと。

対策

 類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 開口部には覆い、囲い、手すりなど墜落防止措置を講じ、周辺を立ち入り禁止とすること。
2 適切な場所に作業を安全に行うためのスペースを確保すること。
3 開口部の安全対策を盛り込んだ作業計画書の策定、安全確保について事業者間の協議する組織を設けて連絡・調整を密にし、コンクリート工作物解体作業主任者の職務を的確に行うこと。
4 不慣れな作業者には安全教育を徹底すること。