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労働災害事例

介護対象者を後方から支えて歩行させようとしたとき、二人一緒に転倒してポータブルトイレで胸を強打して肋骨を骨折した。

介護対象者を後方から支えて歩行させようとしたとき、二人一緒に転倒してポータブルトイレで胸を強打して肋骨を骨折した。
業種 社会福祉施設
事業場規模 100〜299人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 起因物なし
災害の種類(事故の型) 転倒
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:1人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物) 作業方法の欠陥
発生要因(人) 職場的原因
発生要因(管理) その他の不安全な行為

No.101519

発生状況

 被災者はデイサービスのお迎えに介護対象者(利用者)宅に出かけた。利用者を部屋のベッドから出口に置いてある車椅子まで移乗させる介護をしていた。利用者は身体の右半分に麻痺があるので、ベッドから起こし立ち上げた後、後方から支えて歩行させようと利用者の後方に回り込む途中、利用者がバランスを崩し被災者側に倒れこんできたので一緒に転倒してしまった。その時、傍にあったポータブルトイレの肘掛けに胸が強く当たり右側肋骨を骨折した。

原因

 この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 利用者を立たせた状態で、被災者が後方に回り込もうとしたが、利用者は一人では立てない状況だったこと。
2 利用者の歩行範囲内にポータブルトイレがあり部屋が狭くなっていたこと。

対策

 類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 利用者が少しの間でも一人で立てない場合は、介護者が利用者の後方に回り込んでから立ち上がらせること。
2 部屋の中を整理し車椅子あるいは歩行器をベッドの近くまで移動させることができるようにすること。