反応缶のマンホールを開けたとき、同時に別の作業員が缶底からフラッシング作業に入ったため液が噴き出し、熱傷を負った。
業種 | 医薬品製造業 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
事業場規模 | 30〜99人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 化学設備 | |||||
災害の種類(事故の型) | 高温・低温の物との接触 | |||||
被害者数 |
|
|||||
発生要因(物) | 作業方法の欠陥 | |||||
発生要因(人) | 職場的原因 | |||||
発生要因(管理) | 安全措置の不履行 |
No.101512
発生状況
反応缶内で抽出作業を実施中、缶下バルブで抽出液を抜き出そうとしたが、流下してこなかった。被災者は、缶内確認の為、マンホールを開けて缶内状況を見ようとした。一方、別の作業者が缶下側から不活性ガスを用いて閉塞を取り除こうとフラッシング作業に入った。被災者がフラッシング作業に気付いた時には、抽出液がマンホールから噴き出し、加熱されていた抽出液が両足に降りかかった。被災者は、右足首に2度の表在熱傷を、左足首に2度の深在熱傷を負った。 |
原因
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 | |
複数の作業員が作業していて異常が発生したときには、一度作業を止めて監督者も加わって対応方法を相談することが鉄則であるが、それを怠ったこと。 作業に於ける指揮系統と各人の役割、作業対応の具体的手順の確認等、異常時への対応が出来ていなかったこと。 |
対策
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。 | |
化学工場の工程では、異常時を想定して事前に対応の方法を検討しておくことが肝要である。その上で、実作業に入る前に監督者も加わって作業手順を作業員の間で確認し、安全に配慮した対応をとること。 また、作業員のみの判断で安易にマンホールが開けられ、安易にフラッシングが行われるなどもってのほかである。化学の抽出作業には可燃性の有機溶剤使用の可能性もある。事前に、取扱物質の特性・有害性、異常時の対応作等、十分な教育と訓練を行うこと。 |