ガス容器の洗浄作業中、1-ブロモプロパン中毒となり死亡
業種 | 金属製品製造業又は金属加工業 | |||||
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事業場規模 | 100〜299人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101510
発生状況
本災害は、工場ピット内で、ガス容器の洗浄作業中に発生した。 作業者が工場ピット内において、ガス容器(長さ5m、直径30cm、鋼製)の洗浄作業を行っていたところ、倒れているのを発見された。洗浄作業は、主成分1-ブロモプロパンの溶剤をガス容器に注入し、機械設備で回転させた後、溶剤を抜き取るものであった。作業者は、溶剤の抜き取り作業をピット内で行っていたところ、意識を失い倒れていた。救急車で病院に搬送されたが、死亡が確認された。 |
原因
1 | 自然換気の行われにくいピット内部で、1-ブロモプロパンを使用して洗浄作業を行っていたにもかかわらず、強制換気を行っていなかったため、高濃度の蒸気が滞留したこと。 |
2 | 作業者が使用していた防毒マスクは、有機ガス用マスクであり適正な保護具であるが、吸収缶の保存期限を過ぎたものを使用していたこと。また、保護具の保守管理が適切に行われていなかったこと。保護具の使用時間の記録もなく、破過時間を求めた上で安全を考慮した使用時間の目安も示されておらず、交換は作業者の判断に委ねられていたこと。 |
3 | 有害物を取り扱う関係労働者が、その有害性や保護具について十分な知識を有しておらず、ばく露防止のための対策を講じていなかったこと。 |
対策
1 | 自然換気の不十分な場所で作業を行う時は、有害な溶剤の蒸気が滞留しないように十分な換気を行うこと。また、作業の性質に応じて適正な保護具を使用すること。 |
2 | 有害物を取り扱う作業については、SDSに記載されている危険・有害性を確認し、必要とされる保護具の備付、適正な使用を徹底すること。有機ガス用防毒マスクについては、その破過時間に十分注意し、適正な交換を実施するよう徹底すること。 |
3 | 関係労働者に有害物にかかるばく露防止対策について安全衛生教育を実施すること。 |