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労働災害事例

農業倉庫でくん蒸作業に用いた薬剤等の撤去作業中、リン化水素ガスとなり入院

農業倉庫でくん蒸作業に用いた薬剤等の撤去作業中、リン化水素ガスとなり入院
業種 その他の事業
事業場規模 5〜15人
機械設備・有害物質の種類(起因物) 有害物
災害の種類(事故の型) 有害物等との接触
被害者数
死亡者数:0人 休業者数:2人
不休者数:0人 行方不明者数:0人
発生要因(物)
発生要因(人)
発生要因(管理)

No.101507

発生状況

 本災害は、農業倉庫でくん蒸作業に用いた薬剤等の撤去作業中に発生した。
 農協の農業倉庫(米の保管倉庫)で、作業者2名がくん蒸作業が終了した倉庫に入り、くん蒸作業に用いた薬剤等の撤去作業を行っていたところ、倉庫内に充満していた薬剤のガス(リン化水素)を吸入し、吐き気、体の痺れ、胸痛、下痢、呼吸困難の症状を示した。救急搬送され、リン化水素ガスの中毒症と診断された。

原因

1 災害が発生した倉庫は、通風が不十分な構造であったこと。また、くん蒸作業終了後の倉庫内の換気時間が短く、強制的な換気が行われていなかった可能性があること。
2 作業者が倉庫内に入る前に、倉庫内のガス濃度を測定せずに立ち入ったこと。
3 作業者が倉庫内に立ち入る際に、リン化水素用の防毒マスクを着用しなかったこと。
4 作業標準で、くん蒸作業終了後の必要な換気時間を検討していなかったこと。
5 くん蒸作業を行う作業者に対し、安全衛生教育が十分に実施されていなかったこと。

対策

1 くん蒸作業終了後、通風の確保と適当な換気時間を設け、強制的な換気方法により換気を行うようにすること。
2 作業標準で、くん蒸作業終了後の倉庫内の換気時間を明示し、作業者に周知すること。
3 作業者は倉庫内に立ち入る前に、倉庫内のガス濃度を測定し、十分に換気されたことを確認した後に立ち入ること。
4 くん蒸作業終了後、倉庫内に立ち入る際には防毒マスクを着用することが望ましい。
5 くん蒸作業を行う作業者に対し、十分に安全教育を実施すること。