アニリンを含む廃液をろ過する作業中、急性アニリン中毒となり入院
業種 | 化学工業 | |||||
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事業場規模 | 300〜999人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101506
発生状況
本災害は、アニリンを含む廃液をろ過する作業中に発生した。 アニリンを含む廃液をろ過する装置の攪拌機が停止したため、マンホールを開けてろ過器底部を確認したところ、廃液残渣が底部に固着し、これが抵抗となって攪拌機が停止していた。そのため、作業者がステンレス製の平板を用いて当該残渣を掻き出し、スコップでバケツに移して廃棄していたところ、体調不良を訴えた。一緒にいた作業指揮者が熱中症の疑いと判断し、塩飴とスポーツドリンクを飲むよう指示し、安静にさせた後、復調の兆しがあったため作業再開させたところ、体調が急変し、病院に救急搬送された。診察の結果、急性アニリン中毒と診断された。 |
原因
1 | 保護具の使用を含めた作業手順書等が作成されていなかったこと。 |
2 | 廃液処理設備の復旧・稼働を急ぐあまり、作業の危険性や保護具の選定に充分な時間をかけて検討することなく、作業を開始したこと。 |
対策
1 | 本質的な安全衛生対策として、マンホールを開放しないで残渣を除去できる方法を検討すること。 |
2 | 速やかに本質的対策を行うことができない場合は、暫定的にアニリンの呼吸による吸入を防止するため、当該物質に適応した有機溶剤用吸収缶を附した呼吸用保護具を使用すると共に、皮膚からの吸収を防止するため、タイベックなどの化学防護服を着用すること。 |
3 | 定期修理期間等、製造設備が停止している期間に併せて、適切な周期で点検・整備を行うことが望ましいこと。 |