病院内でエチレンオキシドガス滅菌器での滅菌作業中にエチレンオキシドガス中毒
業種 | 医療保健業 | |||||
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事業場規模 | 300〜999人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 危険物、有害物等 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101496
発生状況
本災害は、エチレンオキシドガス滅菌器で滅菌作業中に発生した。 病院内2階の中央材料室で、作業者(看護師)1名がエチレンオキシドガス滅菌器で滅菌作業を行うため、滅菌器にエチレンオキシドガスが充填されたカートリッジを装填する作業中、カートリッジを落とした。カートリッジ装填後、ガス漏れが発生したような音を聞いたため、確認のためカートリッジの装填部位に顔を近づけた。作業者はガスの拡散防止処理を行ったが、処理後、口元のしびれ、喉頭痛など中毒症状が現れ、病院を受診しエチレンオキシドガス中毒と診断された。 |
原因
1 | カートリッジを落下させたため、カートリッジが破損してエチレンオキシドが漏れたこと。 |
2 | 事業場内でガスカートリッジの強度やエチレンオキシドの有害性について知識は持っていたが、その程度を安易に考えていたこと。 |
3 | 本物質やガスカートリッジの取扱いについて、看護部が作業マニュアルの作成から周知、教育を行っていたが、労働者に対する労働災害防止対策を専門に取り扱う部署がなく、労働災害を防止する安全衛生管理体制が構築されていなかったこと。 |
4 | カートリッジが破損しやすい構造のものであること。 |
対策
1 | 作業マニュアルの作成については、あらかじめリスクアセスメントを行うなど様々な危険性について検討すること。 |
2 | 化学物質の表示については、文字だけでなくアイコンを使用するなどその危険性を労働者に分かりやすく伝達するようにすること。 |
3 | 労働者の労働災害防止対策を専門に取り扱う部署を設置し、看護師への負担を軽減しつつ、労働災害を防止する安全衛生管理体制を構築すること。 |
4 | ヒューマンエラーに対応可能な堅牢な製品を調達するなど本質安全化に取り組むこと。 |