バケットに入った丁番を洗浄する全自動超音波洗浄装置内でトリクロロエチレン中毒
業種 | 洋食器・刃物製造業 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
事業場規模 | 100〜299人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 有害物 | |||||
災害の種類(事故の型) | 有害物等との接触 | |||||
被害者数 |
|
|||||
発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101495
発生状況
本災害は、トリクロロエチレンで洗浄する全自動超音波洗浄装置内で作業中に発生した。 工場内で、バケットに入った丁番をトリクロロエチレンで洗浄する全自動超音波洗浄装置で洗浄中に、バケットから丁番が落下したため作業者1名が丁番を取り出そうと自動洗浄装置内に入った。その後、他の作業者が洗浄装置内で意識もうろう、うずくまっている作業者を発見し、呼びかけ反応もないため、消防隊員を呼んで救出された。救急搬送され、トリクロロエチレン中毒と診断された。 |
原因
1 | 自動洗浄装置内へ立ち入りを禁止する措置を講じていなかったこと。 |
2 | トリクロロエチレン蒸気が充満する自動洗浄装置内に有機ガス用防毒マスクを装着せず立ち入ったこと。 |
3 | 非定常作業の手順が定まっていなかったこと。 |
4 | 作業者が配置転換した際に、業務に関する労働衛生のため必要事項の教育が行われていなかったこと。 |
5 | 有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者から、特定化学物質作業主任者を選任していなかったこと。 |
6 | 作業者の防毒マスクの着用状況の監視を行っていなかったこと。 |
対策
1 | 自動洗浄装置内へ立入らせないこと。やむをえず立入る場合は、トリクロロエチレン蒸気がないことを確認させること。 |
2 | 必要に応じて防毒マスクを着用させること。当該労働者が従事する業務に関する労働衛生のため必要な事項について教育を行うこと。 |
3 | 特定化学物質作業主任者の職務を果たせる体制を整えた上で特定化学物質作業主任者を選任し、作業者の防毒マスクの着用状況の監視など、作業主任者としての職務を確実に行わせること。 |