フロートタンクの内部塗装中に爆発し飛ばされ死亡
業種 | 造船業 | |||||
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事業場規模 | 1〜4人 | |||||
機械設備・有害物質の種類(起因物) | 可燃性のガス | |||||
災害の種類(事故の型) | 爆発 | |||||
被害者数 |
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発生要因(物) | ||||||
発生要因(人) | ||||||
発生要因(管理) |
No.101494
発生状況
本災害は、フロートタンクの内部塗装作業中に発生した。 作業者2名がフロートタンクの内部塗装中、防爆構造でない送排風機をフロートタンク内部に入れ使用していたところ、フロートタンク内部で有機溶剤に引火・爆発し、1名が外へ約10m飛ばされて死亡、他1名が5m飛ばされ右半身火傷等を負い、1ヶ月の休業となった。 |
原因
1 | 体積が約3m3と狭いフロートタンクの内部等の風通しの悪い作業箇所で塗装作業を行う際、スプレーガン吹付け塗装を行ったため、多量の危険物のミストが存在したこと。 |
2 | 塗装過程で被塗物から塗料等に含まれていた有機溶剤が蒸発し、噴霧した塗料が換気に使用されていた送風機によりフロートタンク内の空気と混合し爆発性混合ガスを形成、キシレン等の引火性危険物の爆発限界範囲濃度に達したと考えられること。 |
3 | 吹付け塗装中に火花ないしアークを発し、若しくは高温となって点火源のおそれのある防爆構造を有しない送風機をタンク内に持ち込み使用したこと。なお、送風機は起動スイッチが改造され、点火源となる恐れがあった。 |
4 | 事業場で選任された有機溶剤作業主任者が不在であったこと。 |
5 | 塗装作業について作業標準がなく、また、具体的な指導、教育がなかったこと。 |
6 | 安全な送風機を使用させるため点検・整備等が適切に行われていなかったこと。 |
7 | リスクアセスメントが実施されていなかったこと。 |
対策
1 | 狭い場所での塗装作業は十分換気を行い、刷毛やローラー等で手塗り作業を行うこと。 |
2 | やむをえず換気の悪い作業箇所でスプレーガンによる吹付け塗装をする必要がある場合は、防爆構造の送風機を使用し、通風口よりダクトを用いて行うこと。また、静電気防止用アースを取ること。 |
3 | 送風機等の電気機械器具について使用前に点検・整備を行い、不適切な改造等が加えられたものを撤去すること。また、これらの確認は点検・整備の責任者を定めること。 |
4 | 有機溶剤作業主任者に法定の職務を行わせること。 |
5 | リスクアセスメントを導入すること。 |
6 | 安全衛生教育を行い、作業標準を徹底させること。 |